テレビのCMで「おいしいものは、糖と油からできている」というようなニュアンスのキャッチコピーがありました。確かに、ついつい食べてしまうのが甘いものです。
食品メーカーの罠
食品メーカーは、自分のところの商品が売れてなんぼです。食品メーカーからすれば、何度でも買ってくれる中毒患者が増えてくれれば、安定した儲けになります。
食品メーカーは、科学の知識を利用して、いかに消費者が美味いと感じ、中毒になってくれるものを利用するかを考えています。
その中には、塩味や旨味、油、そして糖などがあります。
何度でも買ってくれる中毒患者を増やすには、糖質をたくさん使うのが最も簡単で効果が高い方法だとも言われています。
甘い生活で気分が爽快
有名なコピーライターの糸井重里は、『美味しい生活』というようなキャッチコピーを作り出しましたし、人間の3大欲求は「食欲」・「性欲」・「睡眠欲」と言われるように、美味しいものを食べるということは、人間の欲求を満たし、幸せな気分にさせてくれるものです。
なかでも、糖質は血糖値を左右しますが、この血糖値は人間の気分の快・不快と直接深く関わっています。
多くの人は、疲れたとき、甘いものを食べると血糖値が上昇して、一時的に快感を得ることができ、またおなかがすいて血糖値が下がってくれば気分が悪くなるということが経験的にわかっています。
まさに、『甘い生活で気分が爽快』となるわけです。
そして、甘いものの美味しさを一度覚えてしまうと、気持ちよくなるためにもっと糖質が欲しいというような渇望状態に陥ってしまいます。
なぜ糖質を摂ると気分が良くなるのか
なぜ糖質を摂ると気分が良くなるのでしょうか?
糖質を摂ると、血糖値が上がってきます。甘いもの・糖質を食べると、血糖値が急上昇してきますが、これによりセロトニンやドーパミンなど脳内物質が分泌されてくるので、ハイな気分になってくるのです。
しかし残念なことに、これは長続きしません。
人間の体は、血糖値が上がった状態はあまり体に良くないので、これを下げるように働き、血糖値が下がってきます。
すると、脳は「また、血糖値を上げていい気分になりたい」ということで、血糖値を急上昇させるものを口にしたくなるのです。
さらに悪いことに、人間の脳には満腹中枢があり、そこからレプチンというホルモンが分泌されていて、ある程度食べ過ぎないように制御するシステムがあるのですが、糖質を多く摂りすぎる生活をしていると、レプチン抵抗性と言って、このレプチンによる制御が効きにくくなってしまい、絶えず食べ続けるといったことにもつながってしまうのです。
もし、なんとなく四六時中、スナック菓子を口に放り込んでいるような人は、もしかしたらレプチン抵抗性の状態になっているかもしれません。