関東の人だとアンコウ(鮟鱇)と言えば、茨城をイメージする人が多く、アンコウ鍋と言えば茨城と連想したりすると思います。
実は、アンコウの水揚げ量で言えば、下関がダントツで日本一なのです。
下関と言えば、フグを連想しますが、フグが有名になってしまっているせいか、その陰に隠れて、実はアンコウの水揚げ量もダントツの日本一なのです。
見た目とは違う美味
アンコウと言えば、見た目が悪いうえに、皮にぬめりがあり、猫でさえも敬遠し食べずにまたいでスルーするということから「ネコまたぎ」などとも言われるそうです。
アンコウは、ぐにゃぐにゃとしてぬめりが多く、扱いにくい魚なので、吊るし切りという独特の方法でさばいて調理されます。
アンコウは、いわゆるその肉は柳身と言われ、3枚におろされた白身は、プリっとした上品な味と食感があります。
そしてアンコウと言えば、なんといっても肝で、この肝はクリーミーな味わいがあり、絶妙の美味になっています。
アンコウは、「アンコウの七つ道具」といって、その可食部は7つに分かれ、ほとんど捨てるところがない魚とも言われています。
「アンコウの七つ道具」は、肉にあたる「柳身」、「肝」の他には、「えら」、「ひれ」、「皮」、「ぬの」と呼ばれる卵巣、胃にあたる「水袋」があります。
オスのアンコウには卵巣がないじゃないかと思うかもしれませんが、実は市場に流通しているアンコウは全てメスなのです。
なんといっても、「ひれ」や「皮」にはゼラチンがたっぷりと含まれていて、こりこりとした食感が絶妙で他の魚では味わえない独特の食感になっています。
アンコウの栄養
アンコウは独特の食感がありますが、柳身(肉)の部分は、栄養素は少なく約85%は水分になっています。
これに対して肝の部分は、栄養価が高くなっていて、その約40%が脂質になっていあすが、EPAやDHAが多くなっています。
またビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
おいしいアンコウの見分け方
アンコウは、だいたい全長1m以上で、北は北海道から、南日本の海域に分布している灰褐色で腹が白い魚です。
アンコウは海底でほとんど動かないことから、暗愚魚(あんぐうお)と呼ばれていたものが、変化して「アンコウ」になったようです。
アンコウは、皮色が暗黒褐色で身に弾力があるものが鮮度がよく良いとされていて、もし肝が見える状態で売られている場合は、肝に走る血管が鮮やかなものを選ぶと良いでしょう。
基本、骨以外は全部食べられ、特に肝はアンキモとして酒の肴などにも使われます。
調理でさばく場合は、歯に注意すると良いでしょう。