よく高齢になると味を感じにくくなるということが言われます。
これは、加齢とともに唾液腺が老化したり、咀嚼する筋肉の衰えによって唾液の分泌量が少なくなるのが大きな原因です。
加齢による唾液分泌量の減少
唾液腺の老化、咀嚼筋の衰えによる唾液分泌量の低下は、味覚に大きく関係してきます。
食べ物を摂取すると、咀嚼しますが、この咀嚼という行為により唾液が出てきます。
すると、食べた物の成分が唾液中に溶け込んで、これが舌の味蕾にある味細胞を刺激し、そこで、甘味・苦味・辛味・酸味・塩味・旨味を感じることができます。
つまり、味覚は食べた物の成分が唾液中に溶けることにより感じるので、唾液の分泌量が減ってくると、味を感じにくくなってくるのです。
唾液分泌減少とドライマウス

『ドライマウス』自体は、病名ではなく『口腔乾燥症』という症状のことを指します。
『ドライマウス』は、唾液分泌量が減り、口腔内が乾燥してしまったことで症状が出てきますが、たかがドライマウスとあなどることなかれで、重症になると生活に支障をきたすこともあるのです。
唾液の分泌量が減る原因としては、加齢がありますが、その他にも、ストレス、薬の副作用、女性ホルモンの減少などがあり、糖尿病や甲状腺の疾患によっても唾液の分泌量が減ったりします。
ドライマウスになると、唾液による殺菌作用や自浄作用も低下してしまうために、口臭がきつくなったり、歯周病や口内炎にかかるリスクも高まってしまいます。
ドライマウス対策
ドライマウスの対策として、簡単にできることは、日ごろから食事のときはよく噛むことです。
そして、梅干しやかんきつ類といった唾液の分泌を促すものを積極的に食べると良いでしょう。
部屋の湿度にも気をつかうと良いでしょう。
ドライマウスの時は、ジュースなど糖質の多い飲み物は、口腔内の水分を取られてしまうため、さらに唾液が減ることにもなりかねないので、飲みすぎには注意しましょう。
唾液腺をマッサージすることも有効です。
加齢ととおに、唾液腺から唾液を分泌する力も衰えてくるために、耳下腺、顎下腺、舌下腺をマッサージして外から刺激をしてあげることで、唾液の分泌が促されます。
耳下腺の場合は、親指以外の4本の指を頬に当てて、上の奥歯あたりの後ろを前へ向かって10回ゆっくり回すと良いでしょう。
顎下腺の場合は、親指を顎の下の骨の内場輪のやらかい部分に当てて、耳の下から顎の下まで5カ所ほどを1カ所につき5回ずつ押していきます。
舌下腺の場合は、両手の親指をそろえ、顎の真下から下を押し上げるようにグーッと10回押していきます。