東洋、特に中国では東洋医学の中でいろいろな健康法が発展してきました。
中国というと、朝の公園で市民が太極拳などをしているというイメージを持っている人もいると思いますが、気功もその一つになります。
中国で生まれた気功
気功は、体内に「気」を循環させて「気」の質やコントロールする能力を高める『内気功』と、体が必要とする「良い気」を体外から入れて、その代わりに体に合わない「悪い気」を出していくといった「気」の積極的な交換をすることで患部を癒していく『外気功』に分けることができます。
日本のメディアなどで多く紹介されている気功は、気功師が気の働きで他人を動かしたりするようなものが、不思議な現象として紹介されていたりして外気功になっています。
中国では、気功といえば内気功が主体で、外気功は補助的な扱いになっています。
気功の流派は数え切れないほどあり、それぞれのやり方があるようです。
気功の源となっている導引術
導引術(どういんじゅつ)は、一言でいうと中国で5000年も前に生まれた「気」の健康法である気功の源、特に内気功の源であるとされています。
『黄帝内経(こうていだいけい)』にも、「西暦前二千七百年に天下を統一し、度量衡や貨幣制度をつくった黄帝(皇帝)が、病気の治療に導引坐功(ざこう)を行った」という記述があるほどです。
導引では、動物の動作や生態を研究して、それをまねることで動物から身を守り、さらに二足歩行での動きの不自然さから、野生動物の動きをまねることで、体内の気の流れを自然していこうと研究されていきました。
野生の動物が肩こりしたとか、腰痛で悩んでいるとかいうことは聞いたことはないでしょう。野生動物が肩こりや腰痛で悩んでいるかどうかなんて聞いてみたわけじゃないんだからわかるわけないだろうという人もいると思いますが、そうした観点からも、動物の動きにも注目されてきたわけです。
気功の源となっている導引術
導引術が発展していく途中で、東洋医学の漢方の気・血・水の考え方も入って、健康でいるためには気の流れが大切で、気が滞ることにより血も滞り、そうするとそこに邪気が生まれて蓄積し病気になると考えられるようになっていきます。
導引術で気の流れを良くしてあげることで、気の流れがスムーズになり、血の流れもよくなり、邪気が消えていき、病気も治っていくのです。
「気」というと、元気・やる気・活気・気力・精気といったような言葉からもわかるように、生命体としての宇宙そのものに存在していて、そのものの存在のエネルギーを意味しています。
ある意味、陰気・邪気・病気といった言葉があるように「気」は必ずしも良い意味ばかりで使われるわけではありませんが、大切なのは、こうしたプラスもマイナスも含め、気のコントロールを上手くやっていくことが、健康にとって大切で、導引術はこの気を上手にコントロールするための技術といえます。