疲労が起こるメカニズムとして、運動や長時間デスクワークで脳を使ったりすると、大量の酸素が消費され、同時に発生した活性酸素が細胞を傷つけて、その細胞から疲労因子FF(Fatige Factor)が出てくることから細胞や組織の機能が低下して疲労してしまうと考えられています。
そこで、疲労には自律神経の中枢に働きかけて、活性酸素を分解する抗酸化物質を摂取すれば、疲労は回復できるのではないかということになります。
そうして抗疲労成分として研究されたのがイミダペプチド(イミダゾールジペプチド)です。
イミダペプチドの疲労回復効果
イミダペプチドは、長距離を飛行し続ける渡り鳥の羽根のつけ根の筋肉に豊富に含まれているペプチドです。
イミダペプチドは、渡り鳥だけでなく、鶏むね肉にも多く含まれていて、機能性表示食品として身体的な疲労感を軽減するという機能表示で製品化されているものもあります。
イミダペプチドは、疲労回復効果や疲労感の改善、酸化ストレスの軽減などが証明されています。
イミダペプチドが配合されたドリンクを4週間摂取した場合としていない場合で、自転車こぎでのペダル回転数の変化で疲労回復効果を17名の健常人で検証した臨床実験がありますが、最初の4時間負荷をかけたところパフォーマンスが徐々に低下していき、その後休憩をして再び自転車こぎをしたところ、イミダペプチドを摂取していないプラセボ群ではパフォーマンスが落ちていたのに対し、イミダペプチド群ではパフォーマンスが回復していました。
イミダペプチドの利用
疲労が、活性酸素が原因で起こってきていることから、抗酸化力が強いものほど疲労に効くのではと考えられます。
そこでイミダペプチドを他の抗酸化成分と比較してみると、カテキンやポリフェノールのほうが圧倒的に抗酸化力は優れています。
実は、イミダペプチドは、消化管はいった後、消化されてβ-アラニンとヒスチジンというアミノ酸に分解されて吸収されます。
これらのアミノ酸が血中を回り、各臓器で酵素によって再びイミダペプチドに合成されていきます。
従って、抗疲労効果が長く続くのです。
機能性表示食品でも利用されるイミダペプチド
イミダペプチドは、疲労に対応した機能性表示商品としても商品化されています。
さらに、イミダペプチドが消化され吸収され、再びイミダペプチドを合成する材料となるヒスチジンも、抗疲労の機能をもった機能性表示食品として開発されています。
イミダゾールジペプチドは、優れた抗酸化作用があり、活性酸素による酸化ストレスから引き起こされる細胞が傷つけられることによって起こる疲労を軽くする効果が報告されていて、日常の生活で生じる身体的な疲労感を軽減する機能があるため、身体的な疲労を自覚している方に有用です。
ヒスチジンは、活性酸素の働きを抑え、日常生活で疲労を感じる方の疲労感を軽減し、頭が冴えない・注意力低下といった疲労に伴う感覚の緩和、単純な記憶や判断を必要とする作業の効率向上に役立ちます。