餅と言えば、正月や祝い事に欠かせない神聖な食べ物として、日本の風物詩にもいろいろ登場してきます。
正月の鏡餅などはその代表例ともいえるでしょう。
今でこそ、餅はいつでも食べれる食材になっていますが、昔は正月に餅を食べるのが楽しみという人も多くいました。
餅と言えば、一般的にはもち米を蒸して、杵でついたものですが、広義の意味で餅というと、アワやヒエといった雑穀やトチなどの実を使ったものも含まれます。
また和菓子で「〇〇餅」というと、もち米粉などを練って蒸したものなども含まれます。
つき立てだけじゃない餅の保存
餅といえば、何と言ってもつき立てがおいしいのですが、つき立てを食べるほかにも、やわらかめについた餅を平に広げたのし餅や、コシの強い餅をつき立てのうちに打ち粉をふって手の平大に丸めた
丸餅などにして保存し、焼いたり煮たり茹でたり、場合によっては揚げたりして再加熱し、やわらかくして食べます。
保存食として切り餅が知られていますが、切り餅はのし餅が冷めて固まってきたところを切り分けて作ります。
長期保存型の餅としては、冬期に切り餅を凍結させたあと乾燥させた凍り餅があります。
うるち米ともち米の成分
餅で使われる原料のもち米は、白米として食べられるうるち米に比べてビタミンやミネラルが多く含まれています。
もち米とうるち米の大きな違いは、米に含まれるでんぷんです。
米に含まれるでんぷんは、アミロースとアミロペクチンの2種類があります。
米を炊くときに、水を加えて加熱するわけですが、そうした場合、やわらかくさらっとしているのがアミロースで、粘りが出てくるのがアミロペクチンです。
一般に食べられているうるち米は、アミロースが15~35%、アミロペクチンが65~85%の割合になっていますが、これに対してもち米は100%アミロペクチンになります。
お雑煮のお餅
正月のお雑煮にはお餅を入れたりしますが、あなたが食べるお雑煮のお餅は丸いですか? それとも四角いですか?
お雑煮は地域によって味付けや具材の違いが見られますが、お餅はどこの地域でも共通してお雑煮の主役と言えるでしょう。
そのお餅ですが、形は地域によって違ってくるようです。
大雑把に言うと、琵琶湖あたりを境にして東、つまり名古屋や東京方面は四角い切り餅が多く用いられているようです。
逆に琵琶湖あたりを境に西、つまり大阪や広島方面は丸餅が多くなっています。
味付けもバリエーションがあって、丸餅を使っている地域や北陸・信州などでは味噌仕立てが多くなっています。
香川県では丸餅が使われますが、白みそ仕立てになっていたりします。