気をつけたい金属による中毒 | 健康トピックス

金属の中でも特に毒性が高いものとして問題になっているのが、水銀、鉛、ヒ素などです。

水銀中毒

水銀中毒といっても、無機水銀による中毒と有機水銀による中毒があります。

無機水銀中毒は、古代ローマ時代から知られていて、水銀吸入で慢性中毒が発生し、小脳顆粒層が障害され、記憶障害や感情の不安定など神経症状が出てきます。

また歯肉がはれたり、青紫色の色素沈着が怒ったりします。D-パニシラミンといった治療薬が知られています。

一方有機水銀中毒は、日本で有名になった水俣病などがこれにあたります。

末梢神経障害や構音障害、難聴、振戦などが起こります。また母体を通して退治にも蓄積して、精神発育遅延を引き起こしたりします。

鉛中毒

鉛の中毒は、鉛の精錬・加工工場や蓄電池工場での職業病として知られるようになりました。

末梢神経障害や貧血、便秘、食欲不振などの症状が現れ、特に鉛疝痛と呼ばれる発作的で激しい腹痛が起こったりします。

頭痛やめまい、錯乱、せん妄、痙攣などが起こることもあります。

ヒ素中毒

ヒ素の粉塵を長期吸入することで皮膚症状を主体とした症状が起こってきます。

ヒ素と言えば、和歌山県で起こった毒入りカレー事件が記憶にある方も多いかと思いますが、あれは亜ヒ酸が混入されたもので、摂取30分程度で、咽頭や食堂灼熱感が起こり、嘔吐や下痢などの消化器症状が起こってきます。

さらに心室細動やST-T異常などの循環器症状から、循環不全やショックが起こり、それが死因となったりします。

神経系においても、頭痛や意識障害、痙攣などを引き起こします。

治療としては、消化管での速やかな除去となり、胃洗浄や腸洗浄を行い、ジメルカプロールやD-ペニシラミンなどの薬により治療が行われます。

鍋・やかん・水筒も注意

水銀、鉛、ヒ素と聞くと、金属中毒ってあまり一般的には関係ないような気もしますが、実は、鍋・やかん・水筒も要注意なのです。

鍋・やかん・水筒に傷がついていて、コーティングが取れ、酸性の食品に長時間接触していると金属が溶け出すことがあります。

短時間では、溶け出すといってもその量はごく微量ですが、例えば酸性飲料を長時間水筒などで保管するといったようなことをしていると、金属成分が食品や飲み物の中に過剰に溶け出してしまうことがあります。

特に、炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、スポーツ飲料などは、炭酸・乳酸・クエン酸・ビタミンCといったものが多く含まれていて酸性度が高くなっていますので、長時間こうした金属製の容器に入れておくことは控えたほうが良いでしょう。

実際に、内側に傷がついた水筒にスポーツ飲料を入れて飲んでいて、苦味を感じ、頭痛、めまい、吐き気などの症状を呈したといった報告などもあります。

最新情報をチェックしよう!