漢方・中医での病気の考え方 | 健康トピックス

漢方では、人間の臓器・器官・組織が正常に働いていて、気・血・津液・精が充実している状態は、正気(せいき)が充実している状態で、このような状態のときは病気にならないとしています。

病気は、この正気になんらかの原因ですきができたり不足したりすることによって、病気のスタンバイ状態になり、はじまってくるという考え方になっています。

漢方では、病気の根本原因は正気にあり

正気のすきや不足に乗じて、病邪が侵入してきて急性病が発症していきます。

そして、正気の不足や病邪との相互平衡が失調してすぐには回復できない状態になると、慢性病となっていきます。

漢方の考え方は、病気を引き起こす要因を、内傷・外感・病理的産物・その他に分けることができますが、病気の根本原因は、体の側つまり正気にあり、外からの要因は病気を発生させる条件というスタンスになっています。

内傷って何?

内傷(ないしょう)とは、外からの病邪ではなく、体自体に由来する要因で引き起こされる病変のことを言います。

日常生活における要因、精神的要因、社会的要因などがこれにあたります。

飲食不節

飲食不節(いんしょくふせつ)とは、漢字から想像できると思いますが、食生活の不摂生、いわゆる食習慣の乱れです。
暴飲暴食、不規則な食事時間、濃い味付け、大酒飲み、不潔な食べ物を口にするといったことで、脾胃の損傷が起こり、病気が引き起こされていきます。

労使不当

労使不当(ろうしふとう)とは、過労や過度の性の営みによって正気が乱れ、病気を引き起こす原因になることを言います。

過労や過度の頭脳労働も病気の原因になります。

七情内傷

七情内傷(しちじょうないしょう)とは、七つの感情が限度を超えることで、体を傷つけ、調和を損ない、病気を引き起こしてしまうことです。

人間の感情を表す言葉としては、『喜怒哀楽』という言葉がありますが、漢方でいう七情、つまり七つの感情とは、『喜・怒・憂・思・悲・恐・驚』です。
これらの感情が度を超すことで、気がうっ滞し、正気が消耗し、精神的ストレスや緊張、抑うつなどを引き起こします。

外感って何?

外感(がいかん)は、季節や気候、日内変動や環境などといった外界の要因によって発症してくる病変です。

自然界には、季節の移り変わりがあり、六気(ろっき)、すなわち「風・寒・暑・湿・燥・火」があります。

人間は、季節の変わり目に体調を崩しやすかったり、夏暑すぎたり、冬寒ぎたり、いつもとリズムが違う冷夏や暖冬となると、体が適応できなくなり、外界の気候が発病因子として病邪に変化して、病気になってしまうことがあります。

通常の気候であっても、体が弱っていたり、正気が脆弱であったとすると六気に対応できずに、病邪に変化して病気になってしまいます。
気候などの外界の要素が発生させる病変ということになりますが、そのほか、ウイルスや細菌、アレルゲンなども病変を発症させる外感ということになります。

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