漢方薬の値段をどう考える? | 健康トピックス

漢方薬は、生薬からなる薬で、生薬は栽培をして管理して生産されてくるので、どうしても値段が高くなってしまうというイメージがあります。

実際に、薬局やドラッグストアに行って、漢方薬を購入するとだいたいひと箱数千円かかってしまいます。

漢方薬は本当に高いのか

漢方薬が高いかどうかは、一概には言えません。
使われている生薬にもよります。高いものも安いものもあるでしょう。

確かに、薬局やドラッグストアで漢方薬を買うと、数千円取られて、千円台・二千円台で販売されている洋薬と比べると高いと感じる人もいると思います。

また、漢方薬は証に対して使われるものに対し、洋薬は対症療法でその原因を元から叩くというイメージから、洋薬のほうが早く効くというイメージもあることから、割高感が出てしまいます。

保険診療で考える漢方薬

健康保険で治療を行う場合、漢方薬は新薬に比べて全体的に安めであると言われています。

例えば片頭痛で内科を受診したとします。
そこで問診や聴診、触診などが行われ、診察を受けて、必要であれば血液検査や尿検査、レントゲン検査などが行われ、処方箋が出され、薬をもらいます。

このように漢方薬であっても、洋薬であっても、治療に関して病院に支払われる金額は同じになります。

違ってくるのは薬価です。
片頭痛の場合、洋薬のトリプタン系の薬を使うと、1錠900円程度になりますが、3割負担だと実際の支払は270円になります。

一方、漢方薬の場合、片頭痛に効くとされている五苓散が処方されたとすると、1回分がだいたい40円程度となり、3割負担とすると実際の支払は12円程度になります。

つまり、これだけを考えると漢方薬のほうが安いじゃないかということになります。

保険診療なら漢方薬は安いのか?

しかし、片頭痛に対する切れ味ということを考えると、漢方薬の五苓散よりも、洋薬のトリプタン系のほうが良い場合が多く、1回分の薬の価格で高い安いを議論するわけにはいきません。

また、症状によっては漢方薬よりも洋薬で治療すべき場合もあります。

漢方薬が欲しいからといって、保険医療機関を受診すれば、安い漢方薬を処方してもらえるというわけでもありません。

薬局やドラッグストアで漢方薬を買うときは、自分が欲しい漢方薬が購入できますが、保険診療ではどの薬を使うかの決定権は診察した医師になっています。

医師が洋薬のほうが良いと判断すれば洋薬が処方されますし、薬は必要ないとすれば処方箋すら発行されません。

漢方薬を安く手に入れたくても、その通りになるとは限らないのです。

保健医療で、「この漢方薬を処方してください」と言っても、その通りにならないケースのほうが圧倒的に多いと考えたほうがよいでしょう。

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