珈琲を1日に3杯以上飲む女性は大腸がんになりにくいって本当? | 健康トピックス

よく「〇〇を食べると(飲むと)、〇〇ガンにならない」というような情報が健康雑誌などにあふれています。

この手の情報は、メーカーが健康食品を販売するために、都合の良い一部のデーターを誇張して宣伝している場合も多いので、疑いをもってみたほうが良い場合が多いものです。

論文が出ているからといって信じるのは危険

ウソを言っているものは論外ですが、研究結果が根拠だとしているものも、エビデンスに乏しいものも結構あります。

論文が出ているといっても、ごく数名の著効例だけを取り上げていたり、調査機関が短かったり、論文といっても首をひねるたくなるような内容のものも結構あるものです。

珈琲を1日に3杯以上飲む女性は大腸がんになりにくいエビデンスは?

「珈琲を1日に3杯以上飲む女性は大腸がんになりにくい」ということについてのエビデンスはどうなのでしょうか・

まずは、2015年8月までに報告された日本人を対象にした珈琲飲用と大腸がんに関する疫学研究結果を系統的に収集し、5つのコホート研究と9の症例対照研究の結果をまとめメタアナリシス分析がありますが、そこでは、日本人においてコーヒー飲用と大腸がんの関連を決定づける科学的根拠は不十分という結論になっています。
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/3839.html

 

その後、日本の8つの大規模コホート研究から32万人以上を統合したプール解析を行った結果が発表されています。

そこでは、日本人におけるコーヒー飲用と大腸がんリスクとの関連について、食習慣アンケート調査結果から、コーヒー摂取量を1日1杯未満、1日1-2杯、1日3杯以上の3つのカテゴリーに分けて調査されています。

その結果女性では、1日に1杯未満のコーヒー飲用グループに比べて1日に3杯以上飲むグループでは結腸がんリスクが20%、統計学的に有意に低下しているという結果がでています。

しかし、男性及び女性の直腸がんについては、珈琲の飲用ががんのリスクを下げるという結果は認められていません。
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/8095.html

つまり、女性の結腸がんについてのみ、珈琲を1日3杯以上飲むと、がんになるリスクを抑えることができる可能性があるということになります。

なぜ珈琲で女性の結腸がんのリスクが下がるのか

珈琲の飲用により結腸がんのリスクが抑えられるメカニズムについては、発がん促進作用のある腸内の胆汁酸や、大腸がんリスクに関連した炎症、インスリン抵抗性やインスリン分泌が抑えられる、腸の働きを活発化する、珈琲に含まれている抗酸化成分のポリフェノールやビタミンEが関与しているというような作用機序上でのいろいろな推測はありますが、実際のところはそのメカニズムは解明されていないのが現状です。

結果の見方

「珈琲を1日に3杯以上飲む女性は大腸がんになりにくい」と言われると、それじゃといって無理やりにでも1日に3杯珈琲を飲もうとする人がいますが、例えば、今まで1日に1杯しか珈琲を飲んでいなかった人が、無理して1日3杯飲もうとしなくてもよいでしょう。

このような疫学的統計データは、珈琲以外にも生活習慣におけるいろいろな要因が影響している可能性があり、あくまでも統計的な数字として出てきたものであり、こうしたほうが良い、こうすべきだとまでは言い切れない部分もあります。

ましてや、統計的に有意差があったとしてもごくわずかですし、男性や女性の直腸がんについては統計的な有意差は認められていません。
それにメカニズムも理論上はいろいろ推測できますが、はっきりしてものもわかっていません。

まあ、珈琲好きの人にとっては、ちょっとした朗報といったぐらいに考えたほうが良いのかもしれません。
しかし、無理をしてまで1日に3杯珈琲を飲もうとがんばる必要もそれほどないと思います。