腰痛の治療のキーワードDLPFCとは | 健康トピックス

腰痛の治療ガイドラインにおいても、『安静』は必ずしも有効な治療法とはいえないという記載があります。

日常生活で、ただ歩いたり立ったりするだけでも、体の筋肉を使っています。
普通に姿勢を保つために重量に抵抗する必要があるので、自然と筋肉を使っているのですが、これがベッドの上で安静にしていると、筋肉を使う必要性が減ってしまうために筋肉が急激に衰えてしまいます。

腰痛治療におけるベッドの上での安静効果は低い

腰痛に対してベッドの上で安静にしているということは、従来の腰痛治療において広く行われてきていることでしたが、その効果は低いとするエビデンスレベルの高い報告が多くなっています。

腰痛などの痛みに応じて、筋肉の活動性を維持することは、ベッドの上で安静にしているよりもかえって疼痛を軽減し、機能を回復させるのに有効なのです。

エビデンスが高いランダム化比較試験(RCT)によると、16~80歳の急性腰痛の患者を、神経症状がない非特異的腰痛と、坐骨神経痛を伴う腰痛に分けて、ベッドの上で安静にしていが場合と、痛みに応じて活動性維持を行ってきたグループで腰痛に対する効果を調べています。

その結果、神経症状のない非特異的腰痛では、ベッドの上で安静にしていた場合のほうが、痛みに応じた活動性維持をしていたグループよりも疼痛と機能の面で劣っていたという結論がでています。

坐骨神経を伴う腰痛の場合は、ベッドの上で安静にしていた場合も、活動性維持を行っていた場合も有意な差はみられていません。

腰痛になったとき、安静にしていると、腰を支える筋肉が衰えてしまうことで、負担を支えきれずに腰痛を悪化させてしまうリスクがあるのです。
また筋肉を使わないことで、その部分の血流が悪くなってしまいます。

DLPFCって何?

DLPFCは、脳の背外側前頭前皮質のことです。
DLPFCには、いろいろな機能があります。

*扁桃体のバランスを整える
DLPFCは、不安や悲しみ、自己嫌悪や恐怖といった感情を司る扁桃体のバランスを司っています。
DLPFCの働きが落ちると、不安や恐怖といった感情が強く出てしまいます。

*判断・意欲・興味を司る
DLPFCは、判断・意欲・興味を司っているため、DLPFCの機能が衰えると、活力を失ってやる気がなくなってしまいます。

*痛みを抑える
DLPFCには痛みを抑制する働きがあります。
幻の痛みといわれる幻痛を抑制し、痛みを軽減します。

2011年にカナダのマギル大学の研究によると、半年以上にわたって腰痛に悩む人の脳を調査したところ、このDLPFCの体積が減って働きが衰えていたことがわかりました。

その結果、通常の人よりも痛みを感じやすくなっている可能性があるとの指摘になっています。

腰痛とDLPFC

腰痛は痛みに対する恐怖心との闘いでもあります。

特にぎっくり腰になったりすると、あんな痛みは二度とごめんだという恐怖心を覚えます。
欧米では「魔女の一撃」ともいわれるほど激しい痛みがあるぎっくり腰ですが、恐怖心のあまり腰を動かさないで安静にしておこうという意識になってしまいます。

実は、この恐怖心を取り除き、無理のない範囲で筋肉の活動性維持を行っていくのが腰痛を改善していく近道なのです。

だからこそ、腰痛の時は、DLPFCを元気にと言われたりするのです。