虫歯は子供より大人に増えている | 健康トピックス

日本人が歯を失う原因で、歯周病の次に多いのは虫歯(う蝕)になっています。

虫歯というと、チョコレートや飴などのおやつを食べ、歯をみがかない子供がなって、歯医者で泣きながら治療するというイメージがありますが、実は大人の虫歯が増えてきているのです。

虫歯(う蝕)と原因菌

口腔内の虫歯原因菌は、砂糖(ショ糖)などの発酵性糖質を摂取して、乳酸などの酸を排泄しています。

発酵性糖質には、砂糖(ショ糖)の他に、ブドウ糖、果糖、調理したでんぷんなどがあります。

虫歯原因菌が排泄した乳酸などの酸によって歯の成分のハイドロキシアパタイトが溶けてきてしまい、虫歯になっていきます。

虫歯は、ごく初期のうちは見た目では判りにくく、痛みもありません。

しかし進行していくとともに、冷たいものがしみるようになってきて、歯に穴が開き、歯髄が感染をして激しい痛みが出てきます。

歯に穴が開いてしまった状態になると、もう虫歯は自然治癒しません。

虫歯は、子供で減り、大人で増えている

面白いデータがあります。

1970年代では、小学生のなんと9割は永久歯に虫歯をもっていました。

ところが、2016年では永久歯に虫歯がある小学生は2割を切っているという報告があるのです。

しかし、日本人全体で永久歯に虫歯がある人をみると減っていないのです。

つまり、これは何を意味しているのかというと、ずばり子供の虫歯は減っているけれど、大人の虫歯が増えているということになります。

高校卒業後に虫歯になる人が増えてきているのです。

虫歯がない人は、25~29歳で11%、35~39歳になるとわずか0.5%になってしまいます。

虫歯原因菌のミュータンス連鎖球菌は 1歳半以降に主に家族、特に母親からの唾液感染によりバイオフィルムに定着しはじめるし、子供はチョコレートなど砂糖が配合されたお菓子を好んで食べ、そのあと歯を磨かなかったりするので、子供に虫歯が多いというイメージもありました。

昭和の常識では、虫歯は子供のものというイメージでしたが、令和の常識では、虫歯は子供のものではないということなのです。

虫歯の原因、昭和の常識・令和の常識

虫歯に関しては、昭和の常識は古くなってきています。

昭和の常識では、虫歯の原因菌は、ミュータンス連鎖球菌やラクトバチラスでしたが、現在では、この2つの細菌に加えて、ビフィドバクテリウム、Scardvia wiggsiaeActinomyces属、Veillonella属なども虫歯の原因菌として挙げられています。

また虫歯を誘因するものとしては、昭和の常識では砂糖(ショ糖)がありましたが、今では、砂糖を含む発酵性糖質が挙げられています。

最新情報をチェックしよう!