私たちは、いろいろな感覚がありますが、目からは視覚、耳からは聴覚と常にいろいろな刺激にさらされています。
乗り物酔いと平衡感覚
耳に関係した感覚というと聴覚を連想する人が大多数かと思いますが、耳には三半規管もあり平衡感覚も司っています。
三半規管が敏感な人は、よく眩暈を起こしたりしますが、これは自律神経のバランスの乱れによって起こってきます。
乗り物酔いはなぜ起こるのかというと、その大きな要因として考えられるのが、平衡感覚を司る三半規管で感じ取った情報と車の車窓から見える外の景色など視覚から入った情報にズレがあると、本当はどちらが正しいのかということで脳が混乱してしまい、乗り物酔いが起こってきます。
車に乗ったとき、私たちはその揺れを、外の景色などを目で見ることにより視覚と、三半規管で感じていますが、揺れが強すぎたりすると体の筋肉の制御ができなくなります。
頭、体、目は不規則に揺れていて、それはカーブなどでは特にその揺れがひどくなります。
このように乗り物に乗ると平衡障害が起きてくるのですが、だからといってすぐに吐き気などの乗り物酔いの症状が出てくるわけではありません。
平衡障害が起きている状態で吐き気や嘔吐などの自律神経症状が現れると乗り物酔いとなるわけです。
なぜ自律神経による症状が出てくるのか
乗り物酔いの場合は、乗り物による揺れでは平衡機能障害が先に起こってきます。そして激しい揺れが長い時間続けば、自律神経症状が現れる人が出てきます。
なぜ自律神経に関係する症状が出てくるのかというと、乗り物に乗ることで体はもちろん内臓も揺れています。
内臓への影響として吐き気や嘔吐が起こってくるのです。
食べたあとに乗り物しやすい
「あなたは車に酔いやすいんだから、車に乗る前は食べないで」というようなことを言われたことがあるという人もいるかと思います。
車に乗る前に食べるなというのは、食べてから車に乗ると、車酔いして気持ち悪くなったときに、車に乗る前に食べたものを吐いてしまい汚いからという理由からだけではありません。
車に乗る前にものを食べると、消化活動が活発になってきます。消化管は副交感神経支配になっているので、車の揺れなどに食べ物が入っている消化管が刺激を受けて、副交感神経が刺激されることにより、吐き気などにつながってしまうのです。
だから、車に乗る前は、あまり食べ過ぎない方が良いというわけです。
晴れの日より雨の日のほうが要注意
晴れの日と雨の日を比べたら、雨の日のほうが車に酔いやすくなります。
雨の日は副交感神経が刺激された感覚が鋭くなるからです。
このため、例えばトイレの匂いが気になるとか、花の匂いがきつく感じるというのも、晴れの日というよりもどちらかというと雨の日や曇りの日が多いと思います。