近視というと、成長期に進行するものというイメージがありましたし、強度の近視というと遺伝的な要素が大きいので限られて人だけだと思われていました。
しかし、近年は大人になってから近視が進行したという話をよく聞きますし、強度の近視の人の割合も増えています。
大人になってからも進行する近視
大人になってから近視が進行する人が増えてきている大きな原因は、社会の変化にあります。
社会の変化ということでピンときた人もいるかと思いますが、パソコンが普及したのはここ30年ぐらいです。
さらにスマホの普及というとここ10年ぐらいだと思います。
常に、目から近い距離で明るい画面を見続けているのは、長時間目を酷使していることになります。
こうした社会環境の変化が、大人になってからも近視が増える要因になっているのです。
強度の近視ってどのくらい?
強度の近視ってどのくらいなのでしょうか。
視力というと、健康診断などのときにランドルト環というCの字の形をしたリングが欠けている方向を「上」とか「右」とか言って行う視力検査を行い、0.1とか0.03とかいう感じで視力を測定するイメージすると思います。
しかし、近視の程度については、裸眼視力ではなく、ディオター(D)という単位で示されます。
ディオター(D)はどういう単位かというと、レンズの焦点距離の逆数になります。
つまり
近視度数(D)=1÷商店距離(m)
になります。
裸眼でどんどん本が近づいてきたとき、ピンとが合った距離が焦点距離です。
もし、25cmで商店があったとすれば、近視度数(D)=1÷0.25=4 ということになり、近視度数はー4Dという形で表されます。
近視度数によって、強度近視かどうか、その具合がわかります。
-3D未満であれば、弱度近視
ー3D以上、-6D未満であれば、中等度近視
ー6D以上、-10D未満であれば、強度近視
ー10D以上であれば、最強度近視
ということになります。
強度近視と白内障
強度近視の場合、合併症として白内障を招きやすいことが明らかになっています。
白内障はレンズにあたる水晶体が白くにごってしまう行基ですが、とくに水晶体の中心部分付近から濁りはじめてくる核白内障になりやすいのです。
なぜなりやすいのかについては解明されていませんが、強度近視の人は、眼軸が極度に長くなっていて、網膜や毛様体筋の血流が悪化するのが原因しているのではないかと考えられています。
つまり、網膜や毛様体筋に血液がうまくいきわたらなくなるために、水晶体に十分な栄養が補給されず変性を起こした網膜から出てくる物質が、水晶体異常を招いて、白内障になりやすくなるのではないかと考えられています。