『食べてすぐ寝ると牛になる』ということがよく言われます。
これは、食事をしてすぐに横になったり眠ったりするのは行儀が悪いので、それを戒める言葉として知られています。
食べてすぐ寝るとなるのは、なぜ牛なのか
それでは、なぜ食べてすぐ寝るとなってしまうのが牛なのでしょうか。
牛はご存知のとおり反芻動物で、草を食べた後に、それを口の中に戻して再び噛みなおしたりします。
牛はよく食べた後すぐに横になったりします。これは食べ物を口に戻すためには、体を横にしたほうが重力が小さくなって食べ物が口のほうへ戻りやすくなるためです。
つまり、食べてすぐ横になるのは、牛のようであることから、『食べてすぐ寝ると牛になる』と言われるようになりました。
一番いけない食っちゃ寝生活
怠惰な生活習慣の代表例として、『食っちゃ寝生活』があります。
食事をしたらすぐに寝て、起きてきたと思ったら間食しているといった生活習慣です。
人間の体は寝ていると、起きている時のように体が活動していないのでエネルギー消費が非常に少なくなっている時間が長くなります。
食事で摂取された余った糖・エネルギーが肥満の元にもなりかねません。
『食べてすぐ寝ると牛になる』は、こういった『食っちゃ寝生活』を正し、肥満防止のために生活習慣を改めるという意味でも理にかなった言葉になっているのです。
食後は歩いて糖を燃焼したほうが良いのか
食べてすぐ寝る『食っちゃ寝生活』は体に悪いのはなんとなくわかったけど、食べたら食後の珈琲などで一服するのが普通なんじゃない?という意見の人もいると思います。
実際はどうなのでしょうか。
食事をすると、その後1~2時間は血糖値が上がってきます。食後の血糖値が上がり過ぎないようにするためには、食後に歩くなどの運動をすることが効果的です。
食事をすると、インスリンが分泌され、そのインスリンが糖を血中から運んでいるのですが、食後で血糖が増えすぎるとインスリンを分泌するために膵臓が働きます。
しかし、毎食、食事をするたびにこのようなことを続けていると、膵臓は疲れてきてしまいます。
膵臓が疲れてくるとうまくインスリンが分泌できなくなり、血中に処理されなかった糖が余ってきて血糖が上がってしまいます。
血中に余った糖は血管を傷つけたり、脂肪に変わっていったりします。
この状態が慢性化してしまうと『糖尿病』になってしまいます。
食後の血糖を上げないために、食後に歩くことは糖を燃焼させるので非常に効果的です。
食後の運動は良いが、食べてすぐの激しい運動はNG
しかし、食べてすぐに運動をするというのも考えものです。
普通に軽く歩く程度ならいいのですが、激しい運動は控えたほうが良いでしょう。
また、食後すぐは、食べたものを消化するために多くの血液が胃腸で必要とされます。
そんな時に体を動かしてしまうと、血液が手足の方にとられてしまい、胃腸に集まるべき血液が不足してしまい、胃腸の働きが低下してしまいます。その結果、消化不良にもなりかねません。
食後すぐは、体を休めてあげて、せいぜい、ゆっくりと歩く程度の運動にとどめておいたほうが良いでしょう。
食事をしたら、寝ずに、しばらく食後の珈琲を楽しんだあと、散歩に出かけてゆったりと景色を楽しみながら20~30分歩いてみるというのがオススメです。