骨折をすると、ギプスを余儀なくされたり、松葉杖を使った生活を強いられたりと何かと不便になってしまいます。
こうなってしまうと、まさに「骨が折れる」生活になってしまいます。
約3割が骨折経験者
調査しらべぇの報告によると、全国20~60代の男女600名を対象に調査したところによると、29.5%の人が骨折をしたことがあると回答しています。
傾向としては、女性より男性に骨折率が高く、50代の男性の骨折経験率は51.7%と高くなっています。
これは、若いころはまだ人生経験が少なく、長く生きていればそれだけ骨折する機会も時間的に増えるという単なる物理的な問題に加え、40代前後から骨密度が低下してきて骨粗鬆症のリスクが高まることも影響しているとみられます。
しかし、60代の骨折経験者の割合をみると28.0%と50代に比べて少なくなっています。
ちょうど50代の世代は、スポ根が流行した時代であり、スポーツや体を動かす人口が増えてきた世代でもあり、そこから骨折をする人が増えていった可能性も考えられます。
身近な骨折原因
骨折の原因をみると、「うんていを掴もうとして掴み損ねて手から落下して手を骨折した」、「ゴム跳びをしていて転倒してすねを骨折した」、「サッカーボールを蹴ろうとしたときにスライディングされて骨折した」といった身近なところで起きています。
日常生活においても注意が必要です。
骨が血液が固まって作られる
さて、骨折するとやがて骨が形成されてしっかりとくっつきます。
骨折をすると、骨と骨が増殖していってくっつくようなイメージがありますが、実際は違います。
骨の中には血管が通っていて、骨折をすると切れて出血します。そしてその血が固まることで止血するのですが、そのときに折れた骨の隙間に血が広がって固まります。これがいわゆる接着剤の役割を果たすのです。
骨折した二週間ほどすると、血の塊に毛細血管が侵入して細胞増殖を繰り返す肉芽組織へと変わっていき、この肉芽組織の中から骨となる組織が作られていくのです。
骨折しないための生活
骨折しないためにはどうしたらよいかということで、「じっとしていれば、何も起きないので、それが骨折をしない一番の方法」というような考えを持つ人もいますが、じっとしていると、筋力や骨は衰えていってしまい、かえって骨折しやすい体になってしまいます。
骨折しにくい体づくりのためには、筋肉を鍛え、バランス感覚を強化し、柔軟性を保ちつつ、俊敏性もトレーニングするのが良いでしょう。
筋肉については、特に下半身がとくに大事で、スクワットやダンベル、マシンを使ったトレーニングなどがオススメです。
バランス感覚の強化では、1分間の片足立ちや上り下りするステップ運動が効果的です。
柔軟性については、特に高齢になると背筋が大事で、お腹をひっこめて胸を張るような姿勢を心がけるとよいでしょう。うつ伏せになって上体をそらす運動は背筋が柔軟になるのでオススメです。
俊敏性については、30秒間で椅子の立ち座りが何回できるかといったものがよいでしょう。できるのであればエアロビクスなどもオススメです。