アロエと言えば、Aloe ferox Miller (アロエー・フェロークス)が起源植物の学名になります。
アロエの特徴
Aloe ferox Miller (アロエー・フェロークス)は、ユリ目(Liliforae)の多肉植物で、一見するとサボテンの仲間に見える常緑多年草になります。
アロエは古くから使用されていて、医学書としてはエジプトのエーベルス・パピルスにもその記載があり、古代ギリシャのアレクサンドロス大王は師のアリストテレスの勧めによって、遠征時にはアロエを持参していたともいわれています。
大型のものは、高さ6mにもたっし、葉はロゼット状に30~50枚ほど月、青緑色をしています。
アロエは、Aloe ferox Mill 又は、これとAloe africana Mill又は、Aloe spicata Bakerとの雑種の葉から得られた液汁を乾燥したもので、バルバロインという成分を含んでいます。
特異臭がして、味は極めて苦く、健胃、緩下、強壮の目的で使用されます。
日本では、アロエが入ったヨーグルトなどが販売されていますが、これは別に苦くありません。
市販のヨーグルトなどに入っているアロエは、食用のアロエ・ベラで、そもそもあまり苦みがない上に、アロエの苦み成分であるアロイんやアロエエモジンが多く含まれている皮の部分を除いた半透明な葉肉の部分を利用しているので、苦くないのです。
アロエに含まれているバルバロインは、アントロン配糖体で、瀉下活性の本体成分だと言われていて、その他、アロエエモジンなどのアントラキノン誘導体も含まれています。
アロエとロカイ
アロエの和名であるロカイは、アロエを中国語に音訳し「蘆薈」を、江戸時代の本草学者が「ロカイ」と漢音読みしたことから、ロカイになっています。
ちなみに、Aloe ferox Mill のferoxは、ラテン語では「恐ろしい、危険な」という意味になるのですが、葉の縁のトゲがするどいため、このような名前がついたのだと言われています。
アロエは英語ではアロエではない
アロエは英語にすると、aloeになります。
英語の発音では、語尾がe の形になった場合、最後のe は発音せずに、手前の母音が長音になる(アルファベット読みになる)という発音上のルールがあります。
例えば、aloneは、語尾がe で、その手前の母音はo になるので、eは発音せずに、oをオウと読み、アロウンとなります。
このルールで、aloe を読むと、アロウになります。
キダチアロエとアロエ・ベラ
キダチアロエは、Aloe arborescens で、日本で多くみられ、「医者いらず」などとも呼ばれたりしています。
葉は、剣状で多汁、灰緑色で、葉緑には小さな三角形のトゲが密についています。
アロエ・ベラは、Aloe barbadensisで、食用アロエとして有名で、欧米でアロエと言えば、たいていの場合、このアロエ・ベラを指します。