蜂蜜と漢方 | 健康トピックス

ミツバチは、ハチミツをはじめ、私たちの健康に関係が深いローヤルゼリープロポリスなどの健康食品の材料を提供してくれています。

漢方では、ミツバチからの贈り物である蜂蜜は、どのように利用されているのでしょうか。

蜂蜜と瓊玉膏

一般において、ハチミツ(蜂蜜)滋養強壮・潤乾作用がある健康食品として広く利用されていますし、もちろん料理にもいろいろと使われています。

漢方においては、潤肺、補中、滑腸、止痛、解毒などの効能があるものとされ、慢性咳嗽や胃の疼痛、鼻炎、口内炎、火傷、便秘などに用いられています。

主要な漢方処方の中で、蜂蜜を使ったものというのは見当たらないのですが、マイナーな処方では、『瓊玉膏(けいぎょくこう)』という漢方処方に蜂蜜が使われています。

『瓊玉膏(けいぎょくこう)』は、不老長寿の漢方処方と言われていて、腎陰(体の水分、体の冷却水の役割がある物)や腎精(体を作る大元の材料、生命力の源)を補う処方になっています。

『瓊玉膏』の効能としては、次の場合の滋養強壮:食欲不振、肉体疲労、虚弱体質、病後の体力低下、胃腸虚弱、血色不良、冷え性、発育期となっています。

『瓊玉膏』の構成生薬は、生地黄の搾汁、茯苓末、人参末、枸杞子末、沈香末、蜂蜜となっています。

蜂蜜は、オリゴ糖を多く含んでいるため、ビフィズス菌などのエサとなり、腸内環境を整える働きが期待されています。

漢方での蜂蜜

漢方では、蜂蜜は別名を白蜜(ハクミツ)といい、味は甘、性は平、帰経は肺・脾・大腸となっています。

ミツバチ(Apis cerana)がつくった蜜糖で、ミツバチは花蜜を吸うと、これをいったん前胃に入れ、巣に帰ってからこれを吐き出します。

この時、ミツバチの唾液の中の酵素によって花蜜のショ糖が加水分解されて、果糖とブドウ糖の転化糖になり、色は、蜜源植物によって変わってきます。

白色から淡黄色のものは白蜜と言われますが、黄色ないし琥珀色のものもあり、これらは黄蜜と言われます。

蜂蜜には、果糖・ブドウ糖、ショ糖の他、アミノ酸や有機酸、ビタミンB群などが含まれています。

蜂蜜はあの漢方処方でも

蜂蜜は、八味地黄丸を作る際にも利用されます。

8種類の生薬の粉末を丸剤にするときに、蜂蜜で練って丸剤を作り飲みやすくします。

これは、蜂蜜による矯味や成型の目的にとどまらず、蜂蜜による補養効果も期待されています。

ちなみに、蜂蜜は、1歳未満の乳児には禁忌になっていて、もし1歳未満の乳児に蜂蜜を食べさせると、ボツリヌス菌の芽胞が腸管内で発芽・増殖をして、乳児ボツリヌス症を発生させてしまうリスクがあるので、注意が必要です。

最新情報をチェックしよう!