動脈硬化をまねく肥満 | 健康トピックス

動脈硬化の4つの原因というと、高血圧・高血糖・喫煙に加えて肥満があります。

最近では、生活習慣病に関連してメタボリックシンドロームがいわれるようになってきています。

メタボと動脈硬化

メタボリックシンドロームは、いわゆるメタボと言われて、特に内臓周辺に脂肪がついてきます。

内蔵周辺に脂肪がついてくることにより、高血圧・高血糖・脂質代謝異常といった症状もでてきて、こうした症状を複数併せ持つようになった状態が、メタボリックシンドロームです。

つまり、メタボリックシンドローム(メタボ)は、動脈硬化のリスク要因を兼ね備えてしまっている状態と言えます。

腹囲に注意

内蔵脂肪が蓄積しているかどうかの簡単な目安になっているのが『腹囲』の測定です。

腹囲は、へその高さで測ったもので、男性の場合は85cm以上、女性の場合は90cm以上で、メタボリックシンドロームに関してリーチがかかった状態になります。

腹囲が、この基準値を超えていてリーチがかかっている状態に加えて、血圧が収縮期血圧で130mmHg以上または拡張期血圧で85mmHg以上、血糖値が空腹時血糖値で110mg/dL、脂質で中性脂肪が150mg/dLまたはHDLコレステロールが40mg/dL未満のいずれかの条件を2つ以上満たしてしまうと、メタボリックシンドロームということになります。

逆に、腹囲が基準値であっても、血圧・血糖値・中性脂肪・HDLコレステロールが複数基準値を出ている場合は、そのリスクを考えるとメタボリックシンドロームとほとんど変わらないと言えます。

肥満が肥満をまねく

メタボリックシンドロームになると、過食を招いたり、血圧を上昇させるホルモンが脂肪細胞から分泌されてさらなる肥満や代謝異常を招きやすくなってしまいます。

さらに、肥満で内臓脂肪が多くつくということは、内蔵の中性脂肪が過剰にたまっていることになり、そうなると血管内皮細胞に入りこみ、動脈硬化を引き起こす原因となるレムナントリポタンパクが血中に増えてきます。

だからこそ、肥満解消し内臓脂肪を減らしていくことが重要になってくるのです。

痩せた人が急に太った危険な肥満

痩せていた人が、中年以降に急に太ってきた場合は、皮下脂肪でもなく内臓脂肪でもなく、心臓周辺に脂肪が蓄積している危険性があります。

痩せている人は、内蔵や皮下に脂肪をためこむスペースがもともとそれほどありません。

そのため脂肪をため込むスペースとして、心臓周辺に脂肪がため込まれます。

この心臓周辺についた脂肪は危険で、これにより心臓に酸素や栄養を送る冠動脈の外側から、炎症に関わるいろいろな物質が分泌されて、それが動脈硬化を誘因してしまう可能性があります。

こうした動脈硬化は、進行のスピードが速く、心臓に栄養を送る冠血管がつまるため危険ですので、中年以降に急に太ってきたような場合は、食生活をはじめとした生活習慣の見直しを検討してみることも大切です。

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