動脈硬化予防には、まず禁煙 | 健康トピックス

タバコで動脈硬化のリスクが上がると聞くと、まあ、そうだろうなという感想を持つ人も多いと思います。

しかし、特にヘビースモーカーの人の場合は、喫煙が動脈硬化のものすごいリスクになっているのです。

タバコで虚血性心疾患の発症リスクが跳ね上がる

厚生労働省研究班の調査によると、タバコを全く吸わない男性の虚血性心疾患の発症率を1.0とした場合、1日にタバコを多く吸う男性ほど、虚血性心疾患のリスクが高まることがわかっています。

特に、ヘビースモーカーの人は気をつけたほうがよいでしょう。

1日14本以下の喫煙では、全く吸わない場合に比べて2.3倍、1日15~34本タバコを吸う人は3.0倍、1日に35本以上吸う人は3.1倍も虚血性心疾患になるリスクが高くなっています。

さらに心筋梗塞だけに限って言えば、1日35本以上タバコを吸う人は、タバコを吸わない人の4.4倍も心筋梗塞になるリスクがあります。

タバコと血管

なぜタバコを吸うと心筋梗塞や脳梗塞などの脳心血管疾患になりやすいのかというと、タバコを吸うと脳心血管疾患の原因となる動脈硬化を進行させやすいからです。

タバコを吸うことで、血管が収縮して血圧が上昇します。

血圧が上昇すれば、血管内皮細胞にかかる圧力が増し、傷つきやすくなり、動脈硬化にもなりやすくなります。

さらに、タバコに含まれているニコチンは、血管内皮細胞を傷つけ、コレステロールを酸化させ、アテローム変性を起こし動脈硬化を誘発します。

したがって、動脈硬化の進行を防ぎたいのであれば、まず最初にやってほしいのが、禁煙といわれているくらいです。

禁煙するだけで、血管年齢が10歳若返るという人さえいます。

5つ以上あてはまれば、ニコチン異常症の疑い

ニコチン依存症かどうか、次の10項目をチェックし、もし5項目以上当てはまるのであれば、ニコチン依存症の疑いがあるので、禁煙外来を受診することをオススメします。

① 自分が思うよりもタバコを吸ってしまうことがある。
② 禁煙や本数を減らそうと試みたができなかった経験がある。
③ 禁煙や本数を減らそうとした時、タバコを吸いたくてたまらなくなることがあった。
④ 禁煙や本数を減らそうとした時、イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆうつ、頭痛、眠気、胃のムカつき、脈が遅い、手の震え、食欲増加、体重増加のような症状があった。
⑤ ④の症状を消すためにタバコを吸い始めることがあった。
⑥ 病気になって、タバコがよくないとわかっていても吸っている。
⑦ タバコが原因で健康問題が起こっているとわかっていても吸っている。
⑧ タバコが原因で精神的な問題が起こっているとわかっていても吸っている。
⑨ タバコに依存していると感じることがある
⑩ タバコが吸えない仕事やつきあいを避けることが何度かあった。

タバコを止めたいのにどうしてもやめられないという場合は、インターネットなどで禁煙治療が受けられる医療機関もあるので、さがして受診し、禁煙にチェレンジしてみるのもよいかもしれません。

最新情報をチェックしよう!