疫学と罹患率・有病率 | 健康トピックス

疫学(epidemiologia)という言葉ですが、これはその語源はギリシャ語から来ています。

epidemiologia の epi は、英語の upon に相当し、「上に」という意味になります。
demos は、people に相当し、「人々」という意味になります。
logia は、science に相当し、「学、科学」というようになります。

「疫学」の定義

疫学は、1950年にロンドン疫学協会というものが設立されたときに、「疫学」という用語が使用されています。

それからさかのぼること1802年、「スペイン流行病の歴史」いのいて、Epidemiologia espanola とした記されています。

疫学の定義については、多くの研究者がいろいろと提唱しています。

  • 疫学とは、人間集団を対象として人間の健康およびその異常な原因を宿主、病因、環境の各方面から包括的に研究し、その増進と予防をはかる学問。
  • 人間集団における健康被害の頻度と分布を規定する諸要因を研究する医学の一分野
  • 人間集団内の健康事象の分布に関する法則性を見出す科学
  • Eidemiology is the study of te distribution of disease in human populations and of the factors that determine that distribution. (疫学は、ヒトの集団における疾患の分布とその分布を決定する要因の研究)

一般社団法人である日本疫学会の定義によると、次のようになっています。

疫学とは、「明確に規定された人間集団の中で出現する健康関連のいろいろな事象の頻度と分布およびそれらに影響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題に対する有効な対策樹立に役立てるための科学」

罹患率とは

罹患率(incidence rate)とは、観察集団内の各個人が単位観察期間内に病気にかかるリスクの大きさを表す指標になります。

観察対象者の延べ観察期間つまり年・月・日・時間などが分母となり、観察期間内に新発生した患者数つまり人が分子となります。

例えば、2000年の罹患率として、人口10万人のうち何例罹患したかというようなことになります。

実際の罹患率の出し方をみてみます。
A市の人口は、2000年1月現在10万人、2001年1月現在12万人、2000年1年間に、ある疾病の新発生は300人だったとします。

すると、分子は、300人、分母は(10万人+12万人)÷2=11万人年となります。

そして罹患率は、300人/11万人年=0.00272727/年となります。

これを人口10万人当たりとする場合は、これを10万倍して、年間人口10万人対273 となります。

有病率とは

有病率(prevalence)は、ある一時点に観察集団の中で病気にかかっている人の割合を示す指標になります。

つまり分子は、一時店における患者数になり、分母はその時点の人口になります。

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