薬膳の3つの基本原則 | 健康トピックス

薬膳料理の店もできてきている中、『薬膳』というと、なんとなくなんか食事の中に、棗とか、胡麻をいれるものだという漠然としたイメージを持っている人も多いと思います。

薬膳とは

『薬膳』とは、食材や中薬を用いて、一定の原則に従って調理されたものになります。

医食同源という言葉があるように、古代中国医学では、まず薬を使う前に食事で体を整えておくことが大事という考え方があります。

中国の商の時代、年代でいうと紀元前16~11世紀、伊尹(いいん)という医学と料理にも通じた大臣がいて、割烹料理より煎じ薬である湯液を作ったとされています。

『湯』というと、葛根湯や麻黄湯のように多くの漢方処方にはその名の最後に『湯』の文字が入っていますが、『湯』は中国語ではスープにあたります。

商の時代の後の周の時代になると、周王朝の制度週間を記載した『周礼』という書ができますが、そこには次のような記載があります。

『先ず味わいて後薬す』
つまり食養(しょくよう)という考え方が重視されました。

医食同源は日本の言葉

こうして中国医学の歴史をみていくと、『医食同源』というのも中国医学から来た言葉のように思われがちですが、これは日本で作られた造語なのです。

中国医学では、「薬」と「食」の源は同じということで、『薬食同源』あるいは『食薬同源』という概念になっています。
これから日本で『医食同源』という言葉が作られ、テレビ番組などで使われるようになり広まっていきました。

薬膳の基本3原則とは

『薬膳』とは、一定の原則に従って調理されたものと紹介しましたが、この一定の原則とは、補虚(ほきょ)、瀉実(しゃじつ)、調和の3つの基本原則になります。

『補虚』とは、虚弱を補うことで、30歳を超えて衰えた身体機能の低下を補う食事になります。

『瀉実』とは、邪気を取り除くための食事になります。

『調和』とは、季節と体の陰陽調和を行ったり、気・血・津液の調和をしたりする食事になります。

そして、この目的によって、組み合わされる食薬や生薬が違ってきます。

『薬膳』は、薬になる膳ということで、その処方は生薬と同様に一定の原則にしたがって作られ、その治療効果を前提としたものになります。

食材に加えられる薬味などにも意味があり、たとえば刺身をワサビ醤油で食べたり、生姜を入れたりしますが、これは単にあって味が美味しいという理由だけではなく、刺身が持っている体を冷やす作用に対して、体を温めるワサビや生姜がそれを抑える働きをしているのです。

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