お酒は、その飲み方により、益にもなれば害にもなります。
お酒を飲めない人や、酔っぱらいにからまれて嫌な思いをした人などは、昼間から酒飲んで管巻いてるような人達を軽蔑したりもします。
酒飲んでどんちゃん騒ぎしたり、道端の看板や自動車を蹴飛ばしたりするのはもう論外です。
やはりお酒は、最低限、人に迷惑をかけないように紳士淑女的に成熟した大人の飲み方をするのがマナーでしょう。
飲酒と脳卒中・心筋梗塞のリスク
お酒の場合は、飲む量や飲み方が問題になってくるのです。
お酒も少量であれば、脳梗塞お予防に役立ちます。
お酒を1日平均1合未満飲んでいる人は、月に1~3回程度しか飲まない人に比べて脳梗塞になりにくいというコホート研究があります。(Stroke 35 p1124-1129,2004)
一方、1日平均3合以上お酒を飲む人は、月に1~3回程度しか飲まない人に比べて1.6倍、脳卒中になりやすいというコホート研究もあります。
適量の飲酒は、飲まない場合に比べて脳卒中や心筋梗塞などの突然死を減らすということが言われてきました。
最近では、いろいろと飲酒と疾患に関する研究報告が蓄積されてきています。
心筋梗塞に関していうと、少量~中等量お酒を飲む人は、お酒を飲まない人に比べてリスクが低いという疫学研究が多くでています。
脳血管障害に関しては、アルコール摂取量が増えるにしたがってリスクが増加するという研究が多くでてきます。
過量飲酒のリスク
アルコールは単回摂取した場合、数時間持続する血圧低下につながりますが、長期飲み続けると血圧は上昇に転じてきます。
過量飲酒は血圧を上昇させ、しかもアルコールは高エネルギーです。
日本酒1合でも約200kcalとなり、飲みすぎれば体内で余ったエネルギーが内臓脂肪となり蓄積していきます。
さらにお酒には食欲増進作用があるので、食べ過ぎにもつながりやすくなっています。
お酒の適量ってどのぐらい
お酒の適量と言われても、もちろん個人差があります。
体質的にお酒を飲めない人からすれば、適量どころの話しではありません。
そこそこお酒が飲める体質でということで考えると、日本高血圧学会が『高血圧治療ガイドライン2019』でその適量を示しています。
それによると、アルコール自体の量で、男性では20~30mL/日以下、女性では10~20mL/以下となっています。
男性の目安としては、ビールでは中瓶1本程度になります。ちなみにビールは100gあたり3.1gの糖質量があります。
日本酒では1合程度、赤ワイン・白ワインではグラス2杯程度、ウイスキーだとダブル1杯程度、焼酎だと半合弱程度、梅酒なら200mL程度になります。
お酒を飲んでいると、ついついお酒が進みすぎて適量を超えてしまいがちという人もいますが、過量な飲酒は血管トラブルのリスクを高くしてしまうので、気をつけるようにしましょう。