PCR検査にこだわらず、もっと唾液でSATIC法 | 健康トピックス

新型コロナ対策では、いかに重症化にならない前に早期に検査をし、感染者を見つけ出すことが重要ですが、PCR検査では時間がかかり、検査結果がわかるまで数日かかてしまうこともあります。

その間に感染者が重症化してしまうリスクもあり、精度は確かに高いのですが、時間がかかるということは致命的な欠点で大問題と言ってもいいでしょう。

最近では抗原検査なども補助的の行われるようになってきていますが、その致命的な欠点をもつPCR検査にこだわりすぎるのは、第2波、第3波が来た時に、はたして迅速に対応できるのか、今のうちに他の方法を模索しておく必要があります。

高精度で優秀な方法だが、重症化防止の観点からは致命的な欠点のあるPCR検査

PCR検査は、高度な遺伝子増幅技術を用いて判定するのですが、特殊な検査機器を用いて、測定に長時間かかってしまいます。

日本では、PCR検査の実施に時間がかかり、それにより発熱でつらい症状があるのに検査すら受けれないということで、重症化したり長期間つらい思いをされた方が多いと思います。

全国にPCRセンターができても、その検査数は1日十数件~数十件にとどまっています。

それには、PCR検査の致命的な欠点があるからです。
① 検査に長時間かかる
② 検査には特別な機器が必要(どこでも手軽にできるわけではない)
③ 検査に手慣れた経験・スキルがある臨床検査技師などが少ない

こういった理由から、なかなか1日に検査できる数は思うように増えていないのが現状です。
PCR検査にこだわらず、もっと精度が高く、街中のクリニックでも感染のリスクを少なくして簡単に検査できる方法を早急に模索していく必要があるのです。

PCR法にこだわらず、唾液を用いたSATIC法で30分で高精度に判定を

新型コロナウイルスの検査には、PCR法をはじめとしたウイルスの遺伝子(RNA)を検査する方法、ウイルスの蛋白を検出する抗原検査、そしてウイルスに対して体内でできた抗体を検出する抗体検査があります。

新型コロナウイルスによる重症化防止と感染拡大防止という観点からすると、ウイルスに感染してからしばらく経ってできてくる抗体を検査する抗体検査ではなく、ウイルスの遺伝子または蛋白を検出する遺伝子検査か抗原検査が必要となります。

このうち、より精度が高いウイルスの遺伝子を検出する方法としてPCR検査が行われてきました。
遺伝子を検出する方法は、PCR法のほかに、LAMP法やSATIC法などがあります。

このうち、日本で東京医科大学と日本大学において、新型コロナウイルスの感染の有無を唾液から迅速に、しかも目視で判定するSATIC法というものが開発されています。

その精度は非常に高く、唾液で検査できるため医療関係者の感染リスクも少なく、PCRで必要な遺伝子を増殖させるためのサーマル・サイクラー(高速温度制御装置)といった特殊な機器も必要ありませんので、街中のクリニックでも実施可能です。

参考:
https://www.tokyo-med.ac.jp/news/media/docs/20200514pressrelease.pdf

SATIC法ってどんな原理なのか

SATIC法では、採取した唾液を試薬と混ぜておくだけで30分で検出できます。

DNA、mRNA、特異タンパク質等、さまざまなバイオマーカーが検出できる方法です。
新型コロナウイルスのRNAと結びつく試薬を入れ、凝集させて目視するという方法になります。

後半にSATIC法について少し触れています。(前半は222nmの紫外線についての動画になっています)

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