O-157に代表される腸管出血性大腸菌による食中毒 | 健康トピックス

O-157をはじめとした腸管出血性大腸菌による食中毒は、後遺症が出たり、死者が出たりするため、食中毒の原因として注意すべきものとなっています。

腸管出血性大腸菌感染

腸管出血性大腸菌は、ウシや羊などの反芻動物が腸管出血性大腸菌を保菌していることが知られています。

これらの動物の糞便中の菌が、食肉についたり、水を汚染したりして感染源になります。

さらに浄化槽の汚水や牧場の排水中の腸管出血性大腸菌が井戸水などに混入し、そこで殺菌が不十分だとそこから感染が広がったりします。

調理従事者が感染していて、自覚症状がないまま調理して食品を汚染することもあります。

調理場での食肉類の管理が悪く、二次感染が起こる場合もあります。

感染すると、潜伏期間1~10日で軽度な胃腸炎症状があらわれてきます。

これは風邪の症状に似ていますが、O-157の感染者の約3~6割は重症化して、出血性腸炎になって激しい腹痛、水様性の下痢、血便が出てきます。

重症化すると2週間から数カ月の入院加療が必要となったりします。

O-157の感染事例

2013年9月、宮城県ないの病院に、腹痛や下痢の症状を訴える農業高校の生徒が2人入院し、その後、同校の他の生徒2人も感染が判明しました。

調査の結果、実習用として飼育していた乳牛7頭すべてがO-157に感染していたことがわかったものの、O-157の感染ルートまでは特定できませんでした。

その後、実習用の飼育牛から実習を行った生徒への感染が強く疑われるようになりました。

0-157の食中毒で記憶に残っているのが、カイワレ大根が原因ではないかとされた1996年の大阪堺市で起きた集団食中毒です。

当時、カイワレ大根が原因とされた食中道k患者は9523人にもなり、死者も出ています。

2016年にも東京都や千葉県の高齢者施設で、O-157による集団食中毒が発生していて、共通食のきゅうりの和え物が疑われ、調査したところ、同じ遺伝子型のO-157が検出されました。

この事件以降、大量調理施設衛生管理マニュアルの改正がなされています。

それによると、若齢者や高齢者に野菜および果物を加熱せずに提供する場合は、殺菌を行うことになっています。

腸管出血性大腸菌感染の予防

腸管出血性大腸菌は、11~50個のわずかな菌でも食中毒を起こす上、ヒトからヒトへの二次感染にも注意が必要です。

O-157以外にも、O-26、O-111、O-103、O-145などがあり、約100種類の血清型が存在しています。

腸管出血性大腸菌が産生したベロ毒素により食中道を引き起こします。

感染の予防策は、まずは牛肉などの食肉に付着する菌による直接感染を防ぐことが大切です。

まな板や包丁などは、肉用、野菜や果物用、魚用など、食品別に用意して兼用を避け、使用後は洗浄消毒します。

生で食べる野菜や果物は、流水でよく洗浄し、必要に応じて次亜塩素酸ナトリウム液で消毒したりします。

加熱は75℃1分以上が必要になってきます。

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