「数学の王」といわれる幾何学 | 賢脳トピックス

幾何学というと、あれはセンスやひらめきの問題だから、つまり努力よりは才能の世界だからとあきらめてしまう人がいますが、頭の中に解法のコツの引き出しを多くもつことで、対応できる場合がほとんどです。

幾何学というと、数学に興味がある人なら知っていると思いますが、毎年、高校生を対象とした数学の問題を解く能力を競う『国際数学オリンピック』という国際大会があります。

数学オリンピックとは

『国際数学オリンピック』のテストは2日間あり、1日4時間30分で、3問ずつ挑戦していきます。

そして各問題は7点満点で採点、つまり満点は7点満点×6問の42点満点で採点されていきます。

採点の結果、上位1/12には金メダル、2/12には銀メダル、3/12には銅メダルが授与されます。

1ヵ国歳代6人の選手が参加できますが、日本から参加するには、日本数学オリンピックに参加して上位入賞することが絶対条件で、その倍率はなんと約150倍にもなるそうです。

数学オリンピックの出題傾向

高校2年生程度の数学ということで、微積分、確率、統計、行列、空間ベクトル、複素平面、立体幾何、三角関数などが出題されると思いきや、こうした範囲からではなく、平面幾何・関数等式・組合せ数学に関わっている問題 が半分以上出題されるようです。

最近では、複数の分野の融合問題が目立ってきていて、選手のほとんど誰も解くことが出来ない超難問なども出題されているようです。

なんともたった3問を4時間30分もかけて解いていき、しかも参加者のほとんどが解けない超難問も出るのですから、大変な長丁場で、体力勝負と粘り勝負といった側面もあります。

「数学の王」といわれる幾何学

さて、話しを幾何学に戻しますが、数学オリンピックでも多く出題される幾何学ですが、幾何学は「数学の王」といわれています。

幾何学の問題は、知識や計算力ではなく、ひらめきやセンスの問題だからとあきらめてしまう人がいますが、コツを覚えると、解ける可能性が高くなってきます。

いわゆる将棋や囲碁でいう定石を覚えてそれを応用していくのです。

将棋の藤井壮太さんにしても、もちろん天才的なひらめきやセンスはあるのでしょうが、そのベースとしては、はじめは将棋の定石から覚えて、対局を繰り返すうちにいろいろと頭の中の引き出しを作っていったのだと思います

例えば、補助線の引き方一つにしても、コツがあります。

これは多くの問題をこなしていくうちに、だんだんと察しがつくようになってきます。
しっかりとした補助線を引くことができれば、意外と簡単に解けてしまう場合も多くあります。

例えば、角度を求める問題でしたら、図形が交わる交点をつかった補助線が引けないか、30°、45°、60°、90°というのは、角度のキモとなるもので、こうした角度をもった補助線が引けないか、どこかに二等辺三角形や正三角形、正方形をつくれないかといった視点で考えると良いかもしれません。

代表的なものとしては、「30°・60°・90°」の二等辺三角形があれば、それと反対方向に同じ三角形をつくれば、正三角形を作ることができます。

こうしたことが問題解法への糸口になるというような、考え方や視点のヒントとなるような引き出しを自分の中に蓄積していくと良いのかもしれません。

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