お酒好きの人の脳の中身| 賢脳トピックス

お酒を飲む人は、晩酌で1日に2~3時間かけて楽しむ人もいます。
飲まない人からすると、そんなにお酒に時間を使ってもったいないと思うかもしれません。
しかし、お酒が好きな人にとっては、それが至福の時のようです。

お酒を飲むと、ほろ酔い気分まではわかりますが、わけがわからなくなって記憶がないという人もいます。

それを免罪符にしているのか、それとも本当にわからないのか。本人のみぞ知るというところですが、記憶はないけど、なぜか家に帰っていたなんていう人もいるので不思議です。

アルコール摂取でのMRI

アメリカでは面白い実験が行われています。
アルコールを摂取したときの脳の反応をMRIで測定しているのです。
さすがアメリカというような研究です。

謙譲な平均年齢26.5歳の男女12名について、アルコールを飲むのではなく静脈内注射をしています。
なぜ普通は飲むべきお酒を、わざわざ静脈注射したのかというと、お酒は嗜好品です。

お酒が大好きな人もいるし、あまり好きじゃない人もいます。
お酒を飲んでの実験だと個人の嗜好による影響がでてしまうためです。

アルコールを静脈注射することによって、アルコールの脳に対する真の反応がわかるというのです。

アルコール摂取でどうなった?

さて、実験の結果ですが、アルコールを注射したところ、脳の線条体(せんじょうたい)という部分に目立った反応がでています。

線条体は、快感を生み出す脳の部位で、報酬系と呼ばれています。
つまり、アルコールは快楽ということになります。

アルコールはお酒として飲まなくても、脳の報酬系を活性化して、多幸感を引き起こします。

酔っている自覚と血中アルコール濃度は関係ない?

実験において、酔っているという自覚の強さは、血中アルコール濃度と相関がみられませんでした。

またアルコールによって惹起される脳活動の強さも血中アルコール濃度と相関がありませんでした。

つまり、血中のアルコール濃度が低くても酔っていると自覚がある人もいますし、血中のアルコール濃度が高くなっていても酔っている自覚がない人もいるということになります。

お酒でろれつが回りなくなっているのに、「酔ってませーん!」などと大声をあげている酔っ払いは、本当に自分が酔っているという自覚がないのかもしれません。

アルコールの摂取量や代謝速度は、自覚症状とは直接的にあまり関係しないという結果になっていました。

それでは、酔っているという自覚は何と関係があったのかというと、線条体の活動強度そのものになっていました。

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