人間の能力の中で、アイデアをポンポンと生み出していく発想力は重要なものです。
職場でも次から次へのアイデアを出してくるいわゆるアイデアマンみたいな人がいたりしますが、そういった発想力は、鍛えて身につくものではなく、もともと持って生まれた才能だと思われがちです。
しかし、日頃から発想力を高める努力をしていれば、誰でもアイデアマンになれるのです。
発想やひらめきは持って生まれたもので鍛えられないは間違い
「ひらめき」と聞くと、とある天才の言葉を連想する人もいるかと思います。
それは、発明王であるエジソンの言葉で、「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」というものです。
これは、99%という数字にごまかされて、やっぱり努力が大事なんだということで、努力の大切さを説く解釈の仕方があるようで、実際にエジソンも1日に16時間も発明に向き合っていたほどのものごい努力家だったようです。
何万回、うまくいかなくても成功するまで挑戦し続けられる力こそ、まさに努力家であり、それが実を結んで発明王になりました。
しかしエジソンは、後日別の会見で「私は1%のひらめきがなければ、99%の努力は無駄になると言ったのだ。」と発言しています。
ああ、やっぱり1%のひらめきがなければダメなのかと思ってしまいますが、ひらめきなんていうものですら、努力でカバーできるのです。
ましてや、ノーベル賞級の発明をするレベルの発想ならいざ知らず、職場でのアイデアマンであったり、仲間内でちょっとセンスと才能があると言われるレベルであれば、ちょっとした訓練でもすれば、誰でも到達できるレベルなのです。
独創性や発想を生む脳のしくみ
発想力という観点からすると、子供のほうが発想力が豊かではないかと思う人もいます。
確かに子供は大人の考えもしないような着眼点や発想を持っていますし、ユニークな発想をしたりしますが、社会での実用性ということになると、やはり別問題になってきます。
発想に関係した脳のしくみについては、脳の前頭前野で理解や判断された情報は、自己情報神経群を通って、基底核神経群や海馬回に伝わります。
そしてまた前頭前野に戻ってきて、同じところを繰り返し回ることによって、思考が深められていき、この機能のことを『ダイナミック・センタコア』と言ったりします。
ここで何回も繰り返し思考が深められることで、ワールプール思考回路ができ、独創的な発想が生まれてくるのです。
ぐるぐると回っているうちに、違うコードパターンが合体して、全く新しいコードパターンが生まれて、それが独創性につながっていくのです。
違いが気づくとアイデアが誕生
脳から入った情報は、それに応じてバーコードのようなコードパターンを作っていますが、そこに別の情報が入ってくると、脳は2つを重ね合わせて同じかどうかを判断します。
パターンが同じところからは両者に共通する考えが浮かび、パターンが異なる部分からは違うという認識が生まれますが、この違うという認識こそが大切になります。
違いの微妙な境界線を時間をかけて深く検証することで、これまでにないまったく新しいコードパターン、つまり新しい発想やアイデアが生まれてくるのです。
だからこそ、違いというものを注意をしていろいろと思考をめぐらすことが大切になります。
また人間は、いろいろな人の意見を聞き、その中で共通点や違いを認識し、そこでいろいろと思考をめぐらせ、その中でアイデアが生まれたりしてくるものです。
さらに人間には自我の本能というものがあり、自分で決めた自分でやり遂げたいという本能があります。
だからこそ、自分で何か工夫できないかということを常に考える習慣も大事になってきます。
自分で何か工夫したいと思えば、自分でそれを決めてやり遂げたいという本能が芽生え、そのために一生懸命思考をめぐらすようになり、その過程で、いろいろな知識や他人からの意見も合わせて化学反応を起こし、新しいアイデアが生まれてきたりするものです。