メタ記憶と学習 | 賢脳トピックス

『メタ』という言葉はいろいろなところで使われています。

『メタ認識』『メタアナラシス』というような言葉もあります。

メタの意味とは

『メタ』とは、「上位の」「高次の」「超」といった意味を持っています。

例えば、最近よく使われている『メタ認知』という言葉は、米国のジョン・H・フラベルという心理学者が定義したもので、もともと認知心理学の専門用語として使用されていました。

『メタ』の意味が「高次の」という意味から、自分が認知している記憶したこと、思考したこと、学習したことなどを高次のメタの視点から認知しようという意味になります。

『メタ記憶』というのも、ジョン・H・フラベルが1976年に『メタ認知』の基本となる概念として定義したものです。

メタの視点は難しい

人間はもともと、自分のことが自分でわからないものです。

例えば、体一つとっても、人は自分で自分の後ろ姿を見ることはできませんし、背中どころか自分の顔ですら、鏡がなければ直接みることは不可能です。

自分の顔を認識するには、鏡に映して認識しないといけません。

自分の姿を客観的にみるためには、この鏡のような何かが必要になってきます。

自分の声も、なかなか認知することはできません。

テープレコーダーやICレコーダーに録音された自分の声を聞いて、「自分の声ってこんな感じだったんだ」と衝撃を受けた経験がある人も多いと思います。

しかし、これがテープレコーダーやICレコーダーを使って、客観的に自分の声を上からとらえた結果なのです。

メタの視点と学習

メタの視点は学習でも役に立ちます。

例えば、ゴルフのスイングを考えたとき、他の人のフォームなどは見てわかりますが、自分のフォームを客観的にチェックすることはできません。

自分のフォームを客観的にチェックするには、それをビデオに撮ってチェックすることになります。

まさに自分のフォームを高い次元で観察するもう一人の自分がチェックするというメタという意味につながります。

現代のようにデジタル機器が進歩した時代は、まさにメタ認知・メタ記憶のためのツールが揃った事態とも言えます。

例えば、knowledge(知識)という単語を覚える場合、一度学習していてこの単語は知っていると認識できているとします。

しかし記憶の忘却曲線からも、時間とともに記憶は忘れていくものです。

自分が知っているつもりでも、いつのまにかどこかで覚えた記憶はある程度の記憶になっていたりします。

そこで、「knowledgeの意味は?」と質問されたとき、答えられなかったり、すぐに出てこなかったりすれば、覚えていたつもりでも、忘れてしまったということいなります。

これを復習により知っている状態に戻していくわけですが、このとき、客観的な視点で本当に意味わかるかどうかという確認をしていくのがメタの視点による学習になります。

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