日本の有名な文豪、英文学者でもあった夏目漱石、ドイツ語が堪能だった森鴎外は、外国語を習得するときに、あることに注目していました。
森鴎外、夏目漱石、日本の文豪が外国語学習で注目したもの
森鴎外は、「青年」、「雁」、「阿部一族」、「山椒大夫」などの文学作品を残した小説家、評論家、翻訳家で、陸軍軍医でもあり、ドイツ語を習得しました。
夏目漱石は、「吾輩は猫である」、「坊っちゃん」、「草枕」、「三四郎」などの作品を残した小説家・評論家・俳人で、英文学者としても知られています。
夏目漱石の教え子は、「夏目漱石がプレフィックス(prefix:接頭語)、サフィックス(suffix:接尾語)と云って吾々の間に通っていた」としているように、接頭語や接尾語に注目をしていました。
森鴎外は、自伝的小説「ヰタ・セクスアリス」の中で、「人が術語(単語)が覚えにくくて困るというと、ぼくはおかしくてたまらない」と綴っています。
そして「なぜ語源を調べずに器械的に憶えようとするのだといいたくなる」とはっきり言っています。
つまり、夏目漱石も森鴎外も、外国語の単語の「語源」に注目していたことがわかります。
どう語源に注目するのか
例えば、次の5つの英単語があります。
expose、propose、impose、compose、oppose
共通しているところは、どの単語も、-poseの形で終わっているところです。
語源の知識に明るい人は、「pose」には「置く」という意味があることを知っています。
ex(外へ)、pro(前へ)、im(中へ)、com(一緒に)、op(面と向かって)という接頭語を理解していれば、英単語が覚えやすくなりますし、知らない単語でもある程度推測がしやすくなります。
exposeは、外へ置くのだから、「さらす、曝露する」という意味に、proposeは、前へ置くのだから「提案する」という意味に、imposeは、中へ置くことから「押しつける」という意味が素推測できます。
composeは、一緒に置くのだから「構成する」、opposeは、「面と向かって置く」のだから「反対する」という意味になります。
完全ではなくても、なんとなくそんな感じの意味があるかなぐらいの感覚で理解しやすくなり、覚えやすくもなります。
なんでもほどほどに
語源、接頭語、接尾語を覚えることで効率的に英単語を覚えることができるということで、語源や接頭語・接尾語が乗っている辞書を買ってきて、かたっぱしから覚えようとする人がいますが、これはあまりお勧めできません。
代表的なものを憶えていれば十分と思いますし、片っ端から覚えたところで、接頭語や接尾語ばかりが気になってしまったりすることで、思考が途切れてしまうことがあります。
知らないよりも知っておいたほうが無難かもぐらいで、代表的なものを憶えておけば十分でしょう。