英文を訳すとき、キモとなるのは動詞と言われています。
動詞は、第五文型全てに「主語+動詞」という形がでてきていて、どの英文でも文の中心的役割を果たしています。
頻度や重要度という点では動詞に遠く及びませんし、英文の意味を理解するという点においては、通常はそれほど重要でない品詞ですが、学習する点において、ポイントとなる品詞があります。
もちろん試験でもこの品詞に関する問題が出たりします。
英語の品詞
英文には、『8品詞』と言われるものがあります。
一般に8品詞は、名詞、代名詞、形容詞、副詞、動詞、前置詞、接続詞、間投詞と言われています。
英語に強い人は、ピンときたかもしれません。
えっ? 何か足らないんじゃない?
実は、英語の品詞は10種類で、8品詞の中には、冠詞と助動詞が抜けています。
8品詞では、冠詞は形容詞、助動詞は動詞に含まれるものとしています。
たった3種類しかないのに、一番難しい品詞
英語の学習で一番難しいとされる品詞は、実は3種類しかありませんし、この3語は英語を習いたての人でも、誰もが知っている単語です。
そう、英語の学習で一人前に使いこなすのが一番難しい品詞は、『冠詞』なのです。
そして『冠詞』は、a、an、the の3種類しかありません。
もっと詳しくいえば、『冠詞』は、文法上では 定冠詞と不定冠詞の2種類、綴りの上では a、an、the の3種類、発音の上でも7種類しかありません。
英語の学習で難しいのは『前置詞』で、『前置詞』を自由に使いこなせるようになれば、一人前だということを聞いたことがある人がいるかもしれません。
日本には、『桃栗3年、柿8年』という言葉がありますが、これになぞらえて『前置詞3年、冠詞8年』と言われたりもしているのです。
完璧にマスターするのに、前置詞は3年、冠詞は8年かかるということになります。
難しい冠詞の使い分け

英語のネイティブスピーカーは冠詞が使われていないとすぐに文章が不自然だと気がつくものらしいのです。
冠詞の使い分けの難しさについて、例をあげてみます。
次の( )の中には冠詞が入ります。
( ) scientist found ( )dictionary ( )useful one for such ( ) meticulous study.
その科学者は、その辞書がそのような非常に綿密な研究には有益であると分かった。
単語としては、meticulous(綿密な)という単語以外は中学生でもおなじみの単語で、訳文までついています。
a か an か the を入れればいいだけですが、英語に精通していないと迷ってしまいます。
普通の英文では、情報は「旧情報⇒新情報」の流れが自然で、旧情報である定冠詞つきの名詞句が文の最初にきて、新情報になる不定冠詞つきの名詞が後の方にくる可能性が高くなります。
科学者がいて、あらためてみつけたのだから、「科学者」は旧情報で The をつけます。
辞書が先にあって、その辞書が研究されて有益であることがわかったので、「辞書」のほうが旧情報で、「研究」のほうが新情報になります。
したがって、the dictionary となり、studyは可算名詞であるので、suchの後は a になります。
( The ) scientist found ( the )dictionary ( a )useful one for such ( a ) meticulous study.
The scientist found the dictionary a useful one for such a meticulous study.
となります。