誰でも、年を重ねていくと生命保険の勧誘を1度や2度は受けたことがあるでしょう。
生命保険の販売員は、よく常套句のように、次のように言います。
「お客様は年齢を重ねてきていいくと、やはり将来は病気の不安を感じますよね。
日本人の死因で多いものを知っていらっしゃいますでしょうか?
そう、ガン、心筋梗塞、脳卒中ですよね。
当該保険では、日本人の死因トップ3ともいえる、このガン・心筋梗塞・脳卒中について網羅しています。」
何でも、入院すると1日に五千円が支給されるので、将来安心だ。ひと月3000円程度の出費であれば、将来の不安ということを考えれば・・・
と考えてしまいがちです。
ガン・心筋梗塞・脳卒中ならば、生命保険は不要?
たとえば胃がんの平均入院日数は約35日で、診療費は118万円。
しかし、実際の自己負担分は、保険により3割となりますので、実際支払う額は約35万円となります。
さらに、高額療養費制度という制度があるため、1ヵ月胃がんで入院したとしても、かかる費用は約8万円、つまり10万円もかからないといったことになります。
月に3000円払っていれば、1年では3万6000円です。3年で10万以上支払う計算になります。
さらに、高額療養費制度では、入院で仕事をできなかった分のお金も支給されます。
平均的なことを考えれば、ガン・心筋梗塞・脳卒中の生命保険特約は、高額療養費制度で手厚く保護されていると考えれば、一般的には無駄と言えるでしょう。
もっともお金がかかるのは、精神疾患
精神疾患は、入院日数が長くなってしまいます。
認知症では平均入院日数が約330日、総合失調症では平均入院日数が約610日。
入院が20ヵ月を超えるともなると、高額療法費制度を申請しても、自己負担額は100万円を超えてしまいます。
しかも、精神疾患の場合だと、退院しても自宅で療養生活を送らなければならなくなったりします。
もちろん、仕事を100%することなでとても不可能です。
賢い医者や弁護士は、違う保険特約に加入している
ガン・心筋梗塞・脳卒中の生命保険特約はナンセンスで、むしろ精神疾患のほうがはるかにお金がかかるというお話をしましたが、精神疾患も含めて、入院期間ではなく、働けない期間に対して保険金が支払われる所得補填型の保険特約に入ったほうが合理的といえます。
実際に、多くの医師や弁護士や、疾病手当をもらえない個人事業主の多くがこの所得補填型の保険に入っているようです。
将来、認知症にかかるということのリスクを考えると、所得補填型の保険に入っておくと良いという結論になります。