試験は、きちんとした対策をもってのぞまないと良い点を取ることはできません。
同じように勉強をしていても、試験になると良い点を取ってくる人と、思ったほど点が取れない人に分かれてしまいます。
もちろん、勉強に対する要領の良さというものもあるのかもしれませんし、個人の能力という部分もあるかもしれませんが、それだけではありません。
まずは試験対策
試験を効率的に乗り切るためには、試験に出ることを、試験に出る形でアウトプットできるようにしておくことが近道です。
そのために、大学受験などでも「傾向と対策」などという大学別、学部別に出題される問題の範囲、よく出題される分野、問題の傾向といったものが分析された本がよく売れます。
資格試験にしてもそうですが、まずは基礎知識をある程度頭の中に入れたら、過去問をまずやってみるというやり方をする人も多いと思います。
それだけ、傾向と対策をつかむということは試験を有利に運ぶには重要なものです。
イギリスの首相、チャーチルの逸話にこんな話があります。
彼は入試に備えて何週間も前から準備をし、勉強をしましたが、いざ試験問題を開くと、そこは彼が一生懸命勉強した歴史と地理の問題ではなく、まったく予想だにしていなかったラテン語とギリシャ語の問題でした。
当然、チャーチルは頭が真っ白になり、とりあえず自分の名前を書き、あとは1問も答えることができず、ただただ試験時間のまるまる2時間、自分の前にある答案用紙の悲しい状況を見つめることしかできなかったというものです。
さすがに、これは極端な話ですが、要するに、試験に出ないところを一生懸命勉強しても、試験に合格するという目的から言うと、それはナンセンスだということになります。
そのためにも、まずは傾向と対策をしっかりということになるのです。
試験に出る範囲だけでなく、試験で求められる解答が記述式であるというのに、選択式の問題ばかり解いていたりすると、試験のときにうまく試験にあった形でのアウトプットができなくなってしまいます。
流暢性の罠
さすがにチャーチルのような経験をするところまでピンボケした人はそうそういないと思いますが、チャーチルとは逆のような経験をしたことがあるという人は多いと思います。
試験のために、傾向と対策を練り、準備をし、いざ試験となり問題用紙が配られ、その問題用紙を開いたとたん、目に飛び込んできたのは、自分が今までやったことがある問題ばかり、おなじみの問題ばかり。
思わず喜んだり、ホッと胸をなでおろしたりしますが、試験結果が発表されると、それほど思ったほど点数は取れていなかったというようなケースです。
こうすると、人は、ああ、自分には試験に適した遺伝子がないんだとか、いやいや勉強が足らなかったんだというような分析をしがちですが、実は、流暢性により自分の理解の深さに対する判断を間違っていることが多いのです。
流暢性というのは、情報を適切に素早く処理してアウトプットする能力です。
事実や公式などをその場ですぐに思いだせることですが、勉強をしてそのあとすぐに復習をすると、すぐに思い出せたりします。
すると、もうそれは覚えた、翌日、翌々日になっても思いだせるものだと信じてしまうのです。これが罠なのです。
テストしながら覚える
流暢性でいうと、たとえば本の一節を暗記しなさいと言われた時、20回読むというやり方それにあたります。
20回も読めば、口も滑らかになり、すらすらと読めるようにない、そうなると頭に入ったと勘違いしてしまいます。
このとき、暗唱をして、思いだせなくなったら本を開くということを入れながら10回読むほうが、ただ20回読むことを繰り返すよりも効率が良いのです。