『軌跡の記憶術 脳を活かす軌跡のメタ記憶勉強法』という本の一節に、記憶のためのスケジューリングについて記載されていました。
一を聞いて十を知る
「一を聞いて十を知る」とは、「論語」公冶長に出てくる言葉で、物事の一部を聞いただけで全部を理解できる、賢明で察しのいいことのたとえとしてよく使われます。
確かに、一を聞いただけで十を理解し知ることができれば、どんなに素晴らしいことでしょう。
一般の人は、一を聞いて十を知るどころか、聞いた一ですら正しく理解できているか怪しいなと感じることさえあります。
勉強法はいろいろな人が、いろいろと提唱していますが、脳科学に基づいて理にかなった記憶法をすることが大切です。
論理的に物事を理解し、その上で必要なものを記憶し、それを使って物事を考える、このサイクルの中で、はじめて、論理力と記憶力が相乗効果を発揮するのです。
それが「一を聞いて十を知る」勉強法であると紹介しています。
実際にどうスケジューリングすればいいのか
勉強について、実際に効率よく学習していくにはどのようにスケジューリングしていくのが良いかということになります。
『軌跡の記憶術 脳を活かす軌跡のメタ記憶勉強法』では、高校の英語を例にとって、そのやり方が紹介されています。
まずは予習で一回学習をします。
この時、未知の単語なども出てくると思いますが、なるべく辞書を使わずに知っている単語だけで、文脈を推測していきます。
そして授業を受けます。
一回既に予習をしているので、授業を受ける時が2回目の学習に相当しますが、この時は覚えようとはせず、理解することに集中します。
そして、家に帰ったら、すぐにその日のうちに復習をしますが、これが全体で3回目の学習になります。
ここで記憶術に関していろいろと知識がある人はあれ?と思うかもしれません。
エビングハウスの忘却曲線じゃないけど、一度憶えたものって、一時間以内に学習したほうがいいんじゃないのということですが、これは単なる棒暗記の実験にすぎません。
経験でもわかるように、一度予習をして、授業で理解したものは、少なくともその骨になる部分はそんなにすぐには忘れるものではありません。
最後の仕上げ
こうして、予習⇒授業⇒復習の3回繰り返したことになりますが、あとは中間試験や期末試験の直前に4回目を繰り返すのです。
ええ、そんなんで大丈夫?と思うかもしれませんが、すでに記憶は少なくとも『リコグニション』のレベル、つまり自分で思い出すことはできないけれど、選択肢があれば答えられるレベルまで到達しているはずなので、そんなにガムシャラに勉強しなくても、軽く確認する程度で試験対策は万全になっています。
あとは英単語集でチェックをしておけばよいのです。