受験や資格試験でたくさんのことを覚えなければいけませんが、そのときによく使われるのが記憶術です。
単純なゴロ合わせをはじめ、いろいろな記憶術がありますが、多くの記憶術に共通しているのが、『連想』と『結合』という考えかたです。
記憶術の老舗、ワタナベ式記憶術
最近は、記憶術に関する書籍を本屋でもたくさん見るようになりましたが、その中でも古くより日本で記憶術を提唱し広めてきたのが、渡辺剛彰氏です。
渡辺剛彰氏によると、子供のころは落ちこぼれだったのですが、小学校の成績は下から二番目だったようです。
そして、中学の入学試験では、全敗し、どうにか入れた中学校で、一学期の成績は241人中240番で、ここでもブービーメーカーだったとしています。
それが、父に教えてもらった記憶術を使い、夏休みに勉強をした結果、いろいろなことが簡単に覚えられるようになり、二学期の成績がトップになったという、アメリカンドリームのような話が紹介されています。
渡辺剛彰氏は、記憶術を使って、二ヶ月で司法試験も突破したとしています。
ワタナベ式記憶術のキモとは
渡辺剛彰氏は、記憶術のキモは、『連想』と『結合』としています。
この2つを合わせて『連想結合』として覚えることが重要であるとしています。
連想結合とはどのようにして覚えるのか
これは、ある言葉を覚える場合に、その言葉から連想される自分の知っている言葉を連想し、それを結びつけて覚えるというものです。
例えば、受験英語にもTOEICにもまず出てこないと思われる英単語ですが、kennel(犬小屋)という言葉を覚えるときに、kennelという言葉から、犬(けん)が寝るということを連想します。これが「連想」です。
そしてその寝ている場所が犬小屋であることをイメージします。つまり、寝ている犬と犬小屋を結びつけるのです。
そうすることで、kennelというと、犬小屋が結びつきます。これが「結合」です。
この2つのスキルを使うことによって覚えやすくするので、『連想結合』による記憶術ということになります。
ほとんどの記憶術が連想結合法の応用にすぎない
巷で○○法、○○式と言われている記憶法のほとんどが、このワタナベ式記憶術の『連想結合』の考えをベースにしています。
ちょっとした工夫の部分が多少違うだけで、記憶術の基本は、『連想結合』にあるといっても過言ではありません。
イメージのコツとは
最後に、記憶術といってもなかなかイメージできないという人もいると思いますが、渡辺剛彰氏はイメージするときのコツとして、いろいろちゅうちょしたり、悩んだりせずに、パッとでた第一印象のイメージで連想すること、またそのイメージは突拍子もないイメージのほうが良いということです。
初めて会った人に対して、第一印象で残ったイメージはかなり記憶に残るということからもわかるように、第一印象、すぐにうかんだイメージを大切にすることが重要です。
突拍子もないイメージでいうと、先ほどのkennnelなどは、犬小屋で犬が寝ているのであるから、ごくごく平凡なイメージになってしまいますが、これが、すごくデカイ金色の犬小屋に、自分の知っている隣の犬が寝ているといった日常ではありえない光景を思い浮かべることで、早く覚え忘れにくくなります。