受験勉強にしろ、資格試験にしろ、その多くの場合、いかに多くの知識を詰め込むか。多くの知識を覚えたもの勝ち!というところがあります。
一見、記憶力とは関係ないと思われがちな数学ですら、例題のパターン暗記(もちろん答えを覚えるのではなく、どうしてこういう解法になるのかを理解した上で、解法の手順を覚える)で、その当てはめと組み合わせで大抵の問題は解けてしまいます。
とにかく、真面目に覚えられるものは全て覚えていく、あるいは要領のいい人であれば試験に出そうなところを確実に覚えていくということで点数がとれるわけです。
いかに多くのことをきちんと覚えられるかは、真面目に反復学習をする完璧主義的考えで学習するほど、良い点が取れるのです。
英語は完璧主義にはしりすぎないほうがいい
英語・語学の学習においても、完璧主義が悪いということを言うつもりはありませんが、英語・語学学習でそれをやってしまうと、覚えなければいけないことが多すぎてしまうのです。
数学であれば、パターンの数はある程度決まっているでしょうし、理科系・社会系の科目でも、資格試験でも、試験に出るような事項はだいたい決まっています。
しかし、英語ということを考えれば、例えば単語だけ考えても5000語とか10000語とか覚えていかなければなりません。
それでも、語学ですので、英文を読んでいると見たこともないような単語がときどき出てきたりします。
これを完璧主義でいちいちこだわって気にしていたら、先に進めなくなってしまいます。
それに、1つの単語にしても、複数の意味がある多義語であったり、自動詞か他動詞かで用法が違ってきたりします。
例えば、rememberという動詞をみてみると、「remember ~ing」 であれば、「~したことを覚えている」となりますし、「remember to ~」であれば、「忘れずに~する」という意味になります。
これらを一度に完璧主義的に覚えようとすると、いつまでたっても remember の次の単語に進めなくなってしまいます。
頻繁に使われる動詞の数はそれほど多くないので、英文で出会ったときに、その都度用法を覚えていけばいいやぐらいの感覚のほうが良いのです。
完璧主義や理屈好きは捨てる
完璧主義を捨てるべきは、何も英単語の学習のときだけではありません。
英文を読むときも一緒です。
「この英文を訳しなさい」という問題ならともかく、特にTOEICテストでは、「英文を訳しなさい」と英訳を記述させるような問題は出ません。
英文は訳すのではなく読むのです。
英文をきちんとした日本語に訳そうとすると、英文を読むスピードが遅くなってしまいます。
きれいに訳してから問題を解こうとする完璧主義や、英文を一文一文、文法的に理詰めで分解して解釈をしていかないと気が済まない理屈好きの読み方をしていたら、スピードをもって英文は読めず、TOEICテストであれば、時間切れとなってしまうわけです。
とにかく、
「知らせてください/いつあなたが/来られる/私のオフィスに」といったように、英文を頭から感覚的に読んでいったほうが、全然速く読めるし、全体的な文意がつかみやすいのです。
精読で力をつけ、多読で鍛える
英語の学習で、精読すべきか、多読すべきかという問題があります。
人によっては、とにかくスピードで読むためには多読をしろといいますが、これはある程度、英語の実力がついてきている人に当てはまります。
まずはきちんと英語を文法的にも理解し訳す力をつけないとダメで、スピードはそれからです。
TOEICテストで言うなら、500点にいかないうちから精読でなく多読ばかりしていると消化不良になってしまいます。
500点以上になってから徐々に多読も増やしていき、700点以上になったら、精読と多読を半々ぐらいというように、多読の割合を増やしていくのが理想的と言われています。