論理的なつもりでも非論理的という罠 | 賢脳トピックス

実社会においても、ビジネスの世界においても、物事を論理的に考えて説明する力というのは、ある程度大切になってきます。

物事を論理的に考える論理的思考法には、ツールというか定石みたいなものがあります。
その定石の基本中の基本と言えるのが、演繹(えんえき)法帰納法です。

演繹法とは

演繹(えんえき)法は、馴染みが無いという人も多いと思いますし、はじめてみた人は、なんだか難しい漢字だけど、何て読むの?と思う人もいるかと思います。

演繹法は、アリストテレスの三段論法といったほうが、なじみがあるかもしれません。

三段論法といえば、なんだという人も多いと思います。

演繹法は、一般的でかつ普遍的な事実を前提として、そこから結論を導き出していく手法です。

例えば、「人間は哺乳類である」「哺乳類には骨がある」という2つの普遍的な事実を前提として、であるならば、「人間には骨がある」という結論を導きだしていきます。

誰もが知っている一般論・普遍的な事実、つまり必然に必然を重ねていくことで、結論を導いていくというプロセスになっていて、数学的な推論方法ともいえるでしょう。

演繹法は、必然に必然を重ねて結論を導いていくため、その土台となる必然にあたる普遍的な事実がしっかりとしていなければなりません。

また論理を組み立てていくプロセスで、その組み立て方を間違えると間違った結論が導かれてしまいます。

演繹法の罠の例

例えば、「空を飛ぶ脊椎動物は鳥類である」「コウモリは空を飛ぶ脊椎動物である」
ゆえに「コウモリは鳥類である」

ところがこの結論は、コウモリは哺乳類なので間違っています。

この場合は、空を飛ぶ哺乳類もいるので、最初の「空を飛ぶ脊椎動物は鳥類である」という前提が正確ではなく間違っているのです。

「鳥類は卵を産む」「亀も卵を産む」
ゆえに「亀は鳥類である」

これも間違いですが、前提は正しくなっています。ただ包括がおかしく、一見三段論法が成り立っているようにも見えますが、間違っています。

基本的には、「A=B」「B=C」ゆえに「A=C」なのですが、この例の場合は、「A<B」になってしまっています。

つまり、卵を産むのは鳥類だけではないのです。

帰納法とは

帰納法は数学でもでてきたので、言葉は知っているという人もいると思います。

帰納法は、個別の事例や事象に基づいて、そこから共通点を見出して結論とていくという考え方です。

私達は、日常生活の中でも意識せずにこの帰納法によって結論を導き出していたりもします。

例えば、テレビをつけたらローヤルゼリーの効能について説明していました。
友人からはローヤルゼリーを飲んでから体の調子が良いという話を聞きました。
雑誌の広告にも特定保健用食品のローヤルゼリーの記事がありました。
念のためネットで調べていくと、ローヤルゼリーの効能に関する論文を見つけました。
こうした情報の積み重ねから、「ローヤルゼリーは体に良い」と結論づけました。

こうした一連の流れは、情報を一つ一つ積み重ね、最終的にそれを総括して結論に至っています。

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