オルトレキシアと摂食障害 | 賢脳トピックス

『オルトレキシア(orthorexia)』とは、その語源はギリシャ語の orexis(食欲)から来ていて、「正しい食欲」ということになります。

たぶん『オルトレキシア』という言葉を始めて聞くという方のほうが多いと思いますが、それもそのはずで、日本の家庭向けの医学書を調べてみても、「オルトレキシア」という単語は出てきません。

オルトレキシア(orthorexia)とは

家庭向けの医学書はもちろん、医学の専門書ですらその名前が載っていなかったりするオルトレキシアとは、どのようなものなのでしょうか。

『オルトレキシア(orthorexia)』とは、不健康だと考える食品を避けることで起こる極端・過度な先入観によって引き起こされる摂食障害や精神障害ということになります。

つまり、食材にクリーンさを求めるあまり、「自然栽培」・「有機栽培」・「無添加」等といった食品や食材の品質に執着し、こうしたもの以外は口にできなくなってしまうという摂食障害の1つになります。

オルトレキシアと普通の摂食障害

摂食障害というと、大方の人がイメージするのがダイエットで、食べる量を極端に減らしたりすることで、痩せていってしまうというものです。

このように普通の摂食障害が食べる量を制限するのに対して、オルトレキシアは食べるものの質を制限してしまうものです。

つまり、「自然栽培」・「有機栽培」・「無添加」等といったもの以外は口にしないことで、逆に栄養失調になってしまうのです。

中国から輸入されたアサリの産地偽装が問題になりましたが、中国から輸入された野菜や海産物は、汚染された土壌でできたり、ものすごい農薬が使われているんじゃないかということで、中国産のものを避けたりしている人もいます。

中国産のものは半額で買えるにもかかわらず、倍以上する国産のものを買う人も結構います。

米国産のものについても、遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシが使われているんじゃないか、米国産の牛は遺伝子組み換えされた飼料を食べて育っているからなるべく避けようという考えの人もいます。

原発事故があったり、農薬が有害だというようなニュースをみるにあたり、野菜や魚の放射能について懸念したり、野菜についた農薬を気にしたりすることで、食品を買うときも有機野菜のものだけをなるべく選ぶようにしているという人もいます。

これが病的になると、毎日3時間は健康的な食べ物を摂取することを考えているというような状態となり、こうなるとオルトレキシアの徴候と言えます。

オルトレキシアへのシグナル

オルトレキシアとまでいかなくても、そうなるリスクがあるかどうか、その予備軍の人もいます。
該当する項目にチェックを入れてみてください。

● 献立を考えたり食材を選んだりするのに多くの時間とお金をかけている
● 理想とする食生活から外れると後ろめたさを感じる
●「正しく完璧な」食習慣のために全く食べない食品グループがある
● どのように食事が調理されたかひどく不安を抱く
● 自身の食習慣に沿えないかもと考え、食事の出るイベントに出られない
● きちんと食事制限をしない人をみると批判的な感情をいだく
● 以前は楽しめていたことに興味が無くなくなり、正しい食事をしていると満足感を得たり良いことをした気分になる

チェックされた数が多かった人は、オルトレキシアになるリスクが高いと言えるかもしれません。

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