気合だ!という言葉で多くの人が連想するのが、レスリングの浜口京子選手の父であるアニマル浜口さんです。
試合会場でも「気合だ! 気合だ!」と叫びまくる父を前にして、はずかしそうにしていた浜口京子さんをみていると、ちょっとかわいそうな気分にもなったものです。
合理化や効率化でスマートに勝つのがカッコイイ時代
このように、近年スポーツの世界では、合理化や効率化が徹底的に押し進められてきました。
ムダな練習はしない、スマートに勝つというのがカッコイイというような風潮になってきています。
今年の箱根駅伝は、高速レースになりましたが、その一因に優勝した青山学院の選手をはじめ、80%もの選手が使用していたという厚底シューズが挙げられます。
青山学院は、アディダスと使用契約を交わしているはずなのですが、それでも全員がナイキの厚底シューズを履いて走っていました。
何か、スポーツもテクノロジーの勝負なんじゃないかと思ってしまうほどです。
あらゆるスポーツで、データを収集分析し、徹底的に勝利のために合理化が進められてきました。
なんでも合理的に考え、費用対効果、つまり練習に対して最大限の効果を求めることばかりやる傾向になってきています。
気合や根性は古い?
昔のスポコン漫画じゃあるまいし、今どき『気合』とか『根性』とか古い。
『気合』とか『根性』で勝てるんだったら苦労しないさ。
今や、『気合』とか『根性』などという精神論は、昭和の時代の古臭い大和魂として、軽視さえされつつあります。
やはり大切だった気合や根性
箱根駅伝は青山学院が優勝しましたが、テレビを見ていたら、今年の青山学院の選手たちは、泥臭さが身についたと解説者が言っていました。
やはり最後、データだけでスマートに勝つのではなく、何が何でも勝ってやるぞとがむしゃらに進んでいくものが必要なのだと感じさせられました。
最先端の脳科学では、精神論の重要性が指摘されています。
目の前のモニターに『握れ』と表示されたら、手元のグリップを軽く握るという実験が行われ、このとき、ときどき『握れ』の合図の前に、サブリミナル映像として「ガンバレ」、「ナイス」というようなポジティブな単語を一瞬だけ表示しました。
もちろん、試験を受けている人は、どんな文字が出たのかもわかりません。
ところが、このサブリミナル映像が出ると握る力が二倍にもなったというのです。
さらに、「ガンバレ」とか「ナイス」といった言葉以外にまったく関係のない文字を表示したときは、効果がありませんでした。
このことから、周りからポジティブな言葉をかけられることで、より力が発揮できた形になります。
つまり、『気合だ!』などと応援することは、何等かの効果があったのかもしれません。