ショッピングの時に出る人間の心理 | 薬剤師トピックス

人間は、「私はいつも賢くお買い物をしている」と思いがちです。

バーゲンもきちんとチェックしているし、安売りする曜日や時間帯もチェックしているという人もいます。

しかし、そこにはいろいろな心理的バイアスがかかっているのです。

買い物の時の心理的バイアス

私たちは、買い物する時には心理的バイアス、つまり合理的な判断を妨げる思い込みが働くものです。

例えば、現金で買い物をしたときより、クレジットで買い物したときのほうが、大きな買い物をしてしまっているという経験は、多くの人が持っていると思います。

現金での買い物とクレジットの買い物では、その場で払うか、後で払うかの違いがありますが、人間は明らかにクレジットのほうが大きな買い物をしてしまう傾向があるのです。

なぜ、こういったことが起こるのかというと、私たち人間は、手元の現金が減るのは許せないけど、目に見えて減らなければあまり気にならないという心理が働くからです。

言い方を変えれば、買い物をして、現金払いで現在の手持ちの現金が減ることに関しては「もったいない」という心理が働くものの、クレジット払いということで未来のお金が減ることに関してはピンとこないのです。

それであとになって、カードのご利用明細書による請求額をみて、「えええ、こんなに買ったっけ?」となるわけです。

商品選びの錯覚

買い物に行って、できれば品質の良いものを買いたいと思ったとき、ついついしっかりとスペックや内容も確認せず、値段を比較して、こっちのほうが少し高いから良いものだろうということで、高価なものを買って、品質が良いものを買う事ができたと喜んでいないでしょうか。

これは、「高価なもの=品質が良いもの」という思い込みがあるからです。

高価なものほど、期待が高まり、満足度も大きくなるので、似たような商品が並んでいたとき、あまり比較もせずに高価なものを購入してしまうという『ヴェブレン効果』という心理が働くのです。

『ヴェブレン効果』とは、米国の経済学者・社会学者であるヴェブレンが指摘した心理的傾向で、ブランド品の消費に見られるように、商品の価格が高く、それを手に入れること自体に特別な欲求が生まれることを指します。

高価なブランド品が、特定のサイトでしか入手できないとなると、高価だし、入手方法も限定的なので、手に入れたいという欲求がでてきてしまうのです。

消費者心理を利用した売り手側の戦略

消費者心理を利用して、売り手側も自分たちが売りたい商品を、できるだけ買ってもらおうといろいろと手をつくします。

有名なのは、端数価格といわれる手法です。物の価格で、980円とか、1980円とか、4980円という価格設定が多いのは、消費者が安いと錯覚するからです。

1000円が980円、2000円が1980円、5000円が4980円と、20円しか安くなっていないのですが、端数での価格設定、特に9と8を使った価格設定にすると、人間は安いと錯覚してしまうのです。

1280円のものが1200円で販売されているのよりも、1050円のものが980円で販売されているほうが安いと錯覚してしまうのです。

また店がこの商品を売りたいというものがあった時、価格帯の違う同じような商品を用意します。

そして売りたい商品の価格を真ん中にするのです。

人間は、安いものだとこれ品質悪そうだしと敬遠したくなり、高いものだとちょっとここまで高いものじゃなくてもという心理が働きます。

そして3つの価格帯がある場合、中間の価格帯のものを選びやすいのです。

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