何かを調べたいとき、インターネットなんてない時代は、本を買って読みまくったり、図書館などでいろいろな記事を集めてきて、それを深堀して自分なりに頭を整理してみたいなことをやっていました。
何でもすぐにGoogle先生
最近では、わからないことがれば、すぐにGoogleで検索すれば、たいていはそれなりの答えが見つかります。
ググるなどという言葉も一般化されるようになりました。
心理学用語の中にも、『Google効果』というものがあって、これは、日経サイエンスという科学雑誌に掲載された論文で紹介されてから注目を浴びるようになりました。
『Google効果』とは、何かわからないことがあると、すぐにGoogleで調べて答えを見つけようとする心理になります。
多くの人が、会話の中でわからないことがでてくると、ちょっと待ってといってスマホを取り出し、マイクに問いかけたりします。
最近では、Chat GPTみたいなAIの技術も進み、痒い所にまで手が届く結果を得られたりすることもあります。
危険なGoogle効果
昔は、わからないことがあるからって、すぐに調べることができず、後日、百科事典を調べたり、論文を読んだり、図書館に行って記事を探したりと調べるのに苦労しました。
しかし、苦労した分、身につきやすかったのです。
ちょっと度忘れしたようなことでも、いまでは、すぐGoogleで調べることができますが、人間は、Google先生の検索力の助けを借りて思い出したものを、人間は自分の力だけで思い出したというような錯覚を起こしてしまいます。
こうしたことから、わからなくたって、いつでもすぐ Googleを検索すればわかるんだしということで、情報を記憶しようという衝動や欲求がどんどん弱まってしまってきています。
こうしたことが、記憶力の減退に拍車をかけているのではないかと論文で指摘されています。
何でもすぐインスタも記憶力を弱める?
なんでもかんでも、すぐにスマホで写真をとって、それをインスタグラムにアップという人がいます。
よく考えず、ただインスタに載せるために写真を撮りまくっていると、目にしたものが記憶として残りにくいということが証明されています。
写真に記録したことで安心してしまし、せっかく自分の目でみたシーンが脳に残りにくくなってしまうのです。
米国の心理学者リンダ・ヘンケルは、これを『写真撮影減殺効果』と名付けています。
せっかく観光地にいって、美しい景色をみても、感動する時間も惜しんで、やたらと写真を撮りまくってる人がいますが、せっかくの旅の思い出が頭の中に残りにくくなってしまいます。
せめて、記憶を補完するため、取った写真を目にする機会をたくさんつくるなどしたほうがよいのかもしれません。