人と人とが話をしていると、批判を浴びたり、言い争いになりそうになったりします。中には好戦的で言い争い勝利することに快感を感じ、そのために必要以上に人を批判したり言い争いに持ち込もうとする稚拙な人間もいますが、多くの人は言い争いは避けたいという大人の対応をしたいところです。
言い争いを避ける基本は穏やかに
言い争い一歩手前となるような場合は、相手に嫌なところをつかれて、つい感情的になってしまいそうになっているものです。
しかし、こんな時こそ、声を荒げたり、怒鳴り散らしたりせずに、穏やかにゆっくり話すことが大切です。
人間は、無意識にも相手のペースにのまれてしまうものです。
相手が感情的に批判してきても、落ち着いた態度を貫いていけば、相手の気持ちにもブレーキがかかりやすくなります。
逆にこちらも激高して言い争ってしまうと、火に油を注ぐようにますます相手も激高してしまうものです。
心理学者のネスソン・ジョーンズは、相手の批判に対処するためには、5つの戦術があると言っています。
その5つとは、反射・分散・質問・延期・フィードバックです。
反射
反射とは、相手の言葉を要約して繰り返すのです。
こうすることで、あなたの言っていることを受け入れていますよというメッセージになります。
たとえば、商品が動かないとクレームをつけてきているお客様に、
「商品が動かないので返金を望まれるということですね?」というのが、この『反射』にあたります。
分散
分散とは、相手の主張を部分的に認めることです。
主張を部分的であるにせよ認めてもらうことで、相手の怒りも少しはゆるむかもしれません。
逆によくわからないまま全面的に認めて謝ってしまうのは得策ではない場合が多いのです。
「商品が動かなってしまったことについては申し訳ありません、ですが・・・」という形で、『分散』つまり一部について相手の主張を受け入れるのです。
質問
質問とは、相手が言ってきていることに対して、質問して掘り下げてみることです。
こうすることで、この人はきちんと聞いてくれていると感じてもらうことができ、さらに質問により解決の糸口が見つかることもあります。
また質問に対して答えるために相手は考えますが、考えさせることで相手がクールダウンし、怒りをそらすという効果も期待できます。
「商品はなぜ壊れたと思われたのですか?」というような形で、『質問』することで、実は相手の使い方のミスだったりする場合もあります。
延期
延期とは、即断をさけて考える時間をもらうことです。
特に相手がまくしたてるような場合は、相手の勢いにのまれそうになってしまったりします。こうしたことを防ぐ意味でも、即断をさけ時間をもらうことで、相手の主張や要求を冷静に考えることができ、相手もクールダウンしてくれるかもしれません。
「お話はよくわかりました。社内でもう少し検討させていただけないでしょうか」という具合に、『延期』することで、冷静に考える時間をもらいます。
フィードバック
フィードバックは、相手の様子を伝えることです。
批判をしているときは自分の姿など気にしていないものですが、その姿を客観的に認識させることで、相手がハッとして勢いを失うこともあります。
「おっしゃることはわかりますが、そんなに強い言い方をされなくても・・・」という具合で、『フィードバック』することでクールダウンすることもあります。
だたし、こうさせてるのはおまえのせいだろ!と逆切れされる場合もあるので注意が必要です。