薬剤師のフィジカルアセスメント | 薬剤師トピックス

薬剤師が行うフィジカルアセスメントといえば、まずは患者の状態を把握することです。

そしてそれを薬学的に評価して、治療薬の効果や副作用について患者とのコミュニケーションの中や行動・様子の中からそれをいち早くみつけて、何かおかしなことがあったときは適切な対応がとれるように準備することが大切になってきます。

薬剤師が行うフィジカルアセスメント

フィジカルアセスメントというと、患者の状態の把握と評価というところから医師がやるものというイメージもあり、診察の権限がない薬剤師がフィジカルアセスメントというと、賛否両論があるようです。

しかし、患者が適切な薬物治療を行うというところに関しては、薬剤師がその薬への効果や副作用に関して、自分の五感を通して把握することは、医療従事者としての責務だと考えられます。

服薬の状況を聞き取ったり、残薬を調べたり、検査値を読んで処方されている薬が本当に適切なものなのかをチェックすることは薬剤師の仕事ですし、患者が自分が処方された薬の効果や副作用を知りたいと思うのも当然のことでしょう。

実際に患者と対面することにより、カルテ情報からでは得られないものがわかる場合もあります。

診断するのは医師であるので、薬剤師は診断のためのアセスメントの必要はまったくなく、したがって鑑別診断の知識を頭に入れておく必要もありません。
それよりも、継続的な患者の観察を行い、異常を感じたときはいち早く見つけ、他の医療スタッフと連携するということが大切なのです。

診断ではないフィジカルアセスメント

もちろん、薬剤師は診断できません。
ですので、フィジカルアセスメントといっても診断するように微妙な判断をする必要もありませんし、難しいところや疑問に思ったところは主治医に訪ねて教えてもらえばいいのです。

患者から状態を聞き取ったりする中からいろいろな情報を得るということから、聞き出すスキル、そしてひっかかることをキャッチできる能力が大切になってきますが、こういった能力は簡単に身につくものではありません。
地道にコミュニケ―ション能力を高めていくしかないのでしょう。

フィジカルアセスメントとバイタルサインの違い

フィジカルアセスメントと似たような言葉に、バイタルサインという言葉があります。
バイタルサインは、脈拍や呼吸、血圧・体温といったものを指し、意識レベルなどもバイタルサインになることがあります。

医療現場では、緊急時にはこれらをチェックして、次に行う対応が決まってきたりしますし、もちろん緊急時でなくても、患者の状態を把握する上で重要です。

フィジカルアセスメントは、患者の生理的身体状況を把握するもので、バイタルサインに加えて、顔色や表情、息のにおい、皮膚の状態やむくみ具合、姿勢や歩き方などといった、患者の情報を把握するためのいろいろなサインを総合的に評価するものになっています。

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