お薬を飲むときのオブラートって何者?

よく、ものをしゃべる時に、もう少しオブラートに包んだ言い方をしなさいと言ったりしますが、これは相手を刺激しないよう直接的な言い方をしないで、湾曲的な表現にしなさいという意味になります。

オブラートで包むことによって、お薬の刺激をやわらげるといったところからきているのでしょう。

オブラートというと

オブラートというと、もちろん薬を包んで飲むというオブラートを連想される方が多いと思いますが、たとえばボンタンアメなどもオブラートに包まれています。

薬をオブラートに包んで飲むのは、粉薬を飲むときに、口の中の粘膜に粉薬が貼り付いたり、飲んでいる途中でむせてしまったりすることがないようにするためという意味合いと、苦い薬などを飲むときにその味を緩和するためという意味合いがあります。

 

昔は、オブラートというと、円形のものというイメージがありましたが、三角形のものとか、袋状のもの、さらにはイチゴ味といったように味付けがされているものから、ゼリー状やペースト状のものまであります。

オブラートはもともとはパンだった

オブラートは、ドイツ語・オランダ語で、キリスト教の儀式に用いられたウエハースに似た無発酵の薄焼きパンで、水に浸して柔らかくしてから薬を包み服用していたのがはじまりだと言われています。

オブラートは日本に明治初期に伝わり、日本人医師である小林政太郎氏が、寒天とデンプンに柔軟剤を入れて柔軟オブラートとして発明され広まっていき、その後、改良がすすみ柔軟剤が不要となっていきます。

矛盾している薬事行政

薬事行政では、食品に対して医薬品的な用法用量の表示を行ってはダメとしています。
そのダメな例示に次のようなものがあげられています。

「オブラートに包んでお飲みください。」

それならば、ボンタンアメはどうなるのだろうか? あれだってすでにオブラートに包まれている。
まあ、飲み込むわけではなく食べるからいいのだろうか?

飲みにくいから粉末状のお菓子をオブラートに包んで飲んだら、医薬品的だというのもおかしな気もするが、ルールはルールですし、食品ならもっと食べやすいような形状にするべきだということでしょう。

オブラートは医薬品? 医薬部外品? 食品?

ゼリー状のオブラートの表示をみてみると、栄養成分が記載されていて、品名・原材料名が記載されているので、食品の扱いになります。
品名は、清涼飲料水(ゼリー飲料)となっているので、商品カテゴリーとしては、清涼飲料水(ゼリー飲料)となります。

ゼリー状のオブラートについては、医薬品をゼリーで包んで飲み下しを容易にするもので、ご使用方法にも、医薬品をのせてスプーンですくう方法も有効ですといった具合に、食品なのに「医薬品」を飲むのを補助するものとして使用するよう記載があります。

それではシート状のものはどうなのだろうか。
シート状オブラートの原料は、デンプンと水だけです。つまり馬鈴薯デンプンをシート状にしたもので、糊化したデンプンを上記で熱してドラムローラーに散布して薄い膜状に伸ばして急速乾燥してシート状にします。

商品表示をみても、原材料名と記載されているので、食品だと判断できます。

オブラートについて、詳しくは http://www.boc-ob.co.jp/lineup/index.html

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