

学習・勉強において、いろいろなことを覚えるということは大切なことです。
しかし、次のような経験はないでしょうか?

覚えたはずなのに・・・
思い出せそうで思い出せない・・・
そして、試験が終わってから
試験が終わってからも思い出しているので、確かに覚えていて、記憶も保持されていたにもかかわらず、肝心な時に思い出せなかったのです。
記憶には「記銘」「保持(貯蔵)」「想起(そうき)」の3つのプロセスがあります。
記銘は符号化(encoding)、保持は貯蔵 (storage)、想起は検索(retrieval)とも呼ばれますが、いくら速く覚えても、大量に憶えても、長く忘れないで憶えていても、必要なときに取りだせなければ、コンピュータの中に莫大なデータ量がきちんと記憶されているけれど、必要なときに必要な情報を膨大なデータの中から取り出して検索抽出できなければいけません。
試験のときに思いだせなかったけれど、試験が終わってから思い出せたということは、この検索・抽出するプロセス、つまり想起がうまくいかなかったことが大きな原因です。
『想起(recall)』とは、保存されている記憶の中から、必要な情報を自力で思い出すプロセスのことで、過去に学習・経験した情報を、記憶から呼び出すことをいいます。
『想起』ができなければ、テストで「知っているのに答えられない」現象が起きるのです。
せっかく憶えても、そのままにしておくと人間は時間とともにエビングハウスの忘却曲線で示されるように、憶えた情報を忘れていきます。しかし、定期的な想起を行うことで忘却を防ぐことができます。
「思い出す」ことで、エビングハウスの忘却曲線でいう忘却のカーブをリセットし、記憶を強固にすることができるのです。
特に、能動的な想起(アクティブリコール)は、記憶の劣化を防ぎ、長期記憶への移行を助けます。
『アクティブリコール(能動的想起)』は、学習した情報を「思い出す」練習を繰り返すことで記憶に定着させていく学習法になります。
ただ教科書を読んだり、ノートを見返す学習法は、『受動的学習(passive learning)』と言われますが、これとは対照的です。
単に読むだけでなく、覚えたことを自分で思い出す練習をします。
教科書を読むだけの『受動的学習(passive learning)』では、脳への刺激が受動的で記憶に残りにくいため、記憶定着率が低いのに対して、『アクティブリコール(能動的想起)』は、脳への刺激が能動的なため記憶に強く残り、記憶定着率が高くなります。
ヒトの脳は、「情報を引き出す」行為そのものによって記憶が強化されるようになっていて、心理学的にも『テスト効果(Testing Effect)』と言われ、テストすることで記憶が強化されるということは実証済みの現象です。
覚えたい内容を参考書やテキストで読んだ後、ノートや教科書を閉じて、頭の中でその内容を思い出してみるようにします。
その時、口に出して説明したり、紙に書き出したりするとより効果的です。
例えば、英単語なら「意味は何だっけ?」と自分に質問して答えてみると良いでしょう。
単語帳の日本語訳を隠して、英単語だけみて、日本語訳を思い出して口にしてみるというようなことは、多くの人がやったことがあると思います。
問題・質問をカードの表面に書き、答えを裏面に書き、表面だけを見て答えを思い出す。
答えが出なかったカードは何度も繰り返す定番の方法です。
思い出せなかったものを残して繰り返すので、効率的に学習ができます。
アナログでは単語カードに書き込んでという方法もありますが、最近では Anki や Quizlet などといった便利なスマートフォンアプリを利用することもできます。。
学習内容から自分でクイズや問題を作り、その作った問題をあとで解くことで、自分の理解度もチェックできます。
記憶は、他人に教えることによって、より深まり強固なものになっていきます。
誰かに説明することは、自分で思い出しながら話すことにつながり、また質問されるとさらに思い出そうとするので記憶がより一層強化されます。
一例として、英単語をアクティブリコールで覚える具体例を紹介します。
まずは、学習すべき内容、単語リストを作成します。
例:
apple — りんご
book — 本
run — 走る
happy — 幸せな
big — 大きい
この段階では、「apple」という文字をみて、「りんご」だな、と読むだけ。
表:apple
裏:りんご
というような形で、単語カードやフラッシュカードを作成します。
カードの表だけ、フラッシュカードの「apple」だけを見て、「りんご」と答えを思い出します。
このとき、口に出して「りんご」と言ってみるとより記憶が深まります。
もし、答えが出なかったら裏面を見て確認します。
忘れていたらすぐに答えを確認し、もう一度表を見て思い出します。
表の英単語(英語)を見て、その意味・訳(日本語)を思い出しましたが、今度はその逆、つまり裏の意味(日本語)を見て、英単語を思い出す練習をします。
裏面の「りんご」をみて → 「apple」を思い出します。
こうした想起を、適当なタイミングで繰り返し行い、記憶を強化していきます。
例えば、1日後、3日後、1週間後にまた同じカードを使って同じことを繰り返します。
このようにして、単語を「見る→思い出す→確認する」を繰り返すのが『アクティブリコール(能動的想起)』の基本になります。
もしフラッシュカード作るのが面倒なら、スマホアプリのAnkiとかQuizletがおすすめ!効率的に学習できる。
| 特徴 | Anki | Quizlet |
|---|---|---|
| 提供形式 | アプリ(PC・モバイル) | ウェブ&アプリ両方対応 |
| 価格 | 基本無料(iOSアプリのみ有料) | 基本無料(広告あり、プレミアムあり) |
| 学習アルゴリズム | 間隔反復(Spaced Repetition)に完全対応 | 一部対応(プレミアム限定機能) |
| カスタマイズ性 | 非常に高い(プラグイン多数) | 低め(シンプル操作重視) |
| 利用者層 | 医学・語学・資格試験など本格派 | 中高生・語学・教員など広く一般向け |
| メディア対応 | 音声・画像・動画OK(自由に追加可能) | 音声・画像OK(制限あり) |
| 共有性 | デッキ共有は可能(やや専門的) | 非常に簡単、他人のセットをすぐ使える |
Ankiは「記憶科学に基づいた学習」向けの本格派ツール。
Quizletは「直感的&手軽に使える」記憶ツール。
Ankiは、間隔反復アルゴリズムに基づき、自動的に復習タイミングを調整することができる記憶科学に基づいた学習ができる本格派ツールになっています。
自作カードに自由に画像・音声・LaTeX(数式)などを挿入することもできるうえ、タグ管理、統計表示、音読支援などのプラグインで機能拡張をすることもできます。
デッキ(単語帳)を作成して、表に問題、裏に答えを入力してカードを作成します。
毎日『Anki』を使い、表示されるカードを記憶に基づいて答えていき、「簡単・普通・難しい」で記憶の定着度を自己評価していくことで、次回の表示タイミングが変わることで、なかなか覚えられない単語を集中的かつ効率的に反復学習できるしくみになっています。
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