中医美容とは、中国で東洋医学の考え方に基づいて確立された美容の専門領域です。
中医美容は、その治療法によって、中薬美容、鍼灸美容。推拿(すいな)美容、気功美容、薬膳美容の5つに分けることができます。
中医美容は、美容と中医学を結びつけて、医学的に人体美を研究していき、中医学の方法を使って、身体や心、美を直接保護・修復・改善し、作り出していくものとされています。
中国での医学と美容の境界線
薬膳の分野において、医食同源という言葉があり、薬と食事は表裏一体的なものがあって、はっきりとした境界線があるということではありません。
同じように、美容分野においても、東洋医学では、医療と美容の間にはっきりとした境界線はありません。
東洋医学では、体内を『陰』、体表を『陽』と考えます。そして体内の状態は体表に現れてくると考えます。
つまり、肌の状態は体の内側の状態が現れたものと考えるため、東洋医学では体の内側の状態を改善することによって、その二次的効果として美容効果が得られることもあるという考え方になります。
つまり、美容と健康をはっきり分けるのではなく、美は心身の健康を基礎として成り立つものであるという考え方になっていて、このような考え方を『健美』と呼んだりしています。
広がらう健美の考え方
最近では、東洋医学にかぎらず、ホリスティックビューティに代表されるように、美容は体の外からだけでなく、内からのケアも大切といわれるようになりました。
美容関連の飲むサプリも多く販売されるようになりました。
しっかりと睡眠をとり、きちんと栄養を摂取するというのが、健康のみならず美肌の基本なのです。
鍼灸は肩こりだけでなく美容にも有用
鍼灸というと、肩こりや腰痛などの場合に、背中に鍼を打ったり、お灸をすえたりというイメージがありますが、中医美容では、『鍼灸美容』として、肌にハリをもたせ、シワをとったりすることを目的として、顔面などに鍼をうつことが行われています。
この『鍼灸美容』は、日本でも『美容鍼灸』ということで行われるようになってきています。
顔面の鍼灸はもともとは顔面神経麻痺や眼精疲労の治療
今でこそ、美容目的で顔面に鍼をうつことが行われていますが、昔は顔面の鍼灸は顔面神経麻痺や眼精疲労の治療として行われていました。
顔面に鍼をうつことで、血の巡りがスムーズになり水分代謝も良くなり、その結果、肌にハリがでたりシワがとれ、くすみも改善していきます。
顔に鍼をうつと、顔の皮膚は薄く、毛細血管が多いため皮下出血を起こしやすいのですが、数日間で改善します。
また短い鍼をうつことによって、皮下出血しないような形で行われたりもしています。