地球上には、確認されているだけでも175万種類の生物が存在していると言われています。
哺乳類だけにしぼっても、約6000種類、鳥類が約9000種類、昆虫になると約95万種類にも及びます。
維管束をもった植物も約27万種類もあるとされています。
植物の皮膚
植物に皮膚というとなんか違和感がありますが、植物も人間と同様に外皮を薄い表皮組織で覆われています。
多細胞生物である植物の表皮組織は、通常は一層で、表皮組織を構成する細胞はほど一定になっています。
植物の場合、空気を取り込む孔辺細胞以外では、細胞でビッシリと埋まった形になっていて、陸上植物のほとんどは、表皮細胞をガードするクチクラ層(角皮)があります。
植物の表皮細胞であるクチクラ層は、クチンやワックスといった水をはじく物質でコーティングされた形になっていて、外部からの物理的ダメージを防ぐとともに、内部のからの水分蒸発を防いでいます。
つまり、植物のクチクラ層は、人間でいう表皮の角化した角質細胞と同じような機能を持っています。
動物の皮膚
さて、話を植物から動物へ移してみましょう。
脊椎動物の中で、もっとも原始的と言われる魚類をみてみると、魚類ですでに上皮があり、3層からなる表皮と2層からなる真皮、そして鱗が上皮を形成しています。
魚類では、ケラチン化した細胞がなく、人間の表皮の角層に相当するものがなく、3層構造の表皮になっていますが、人間と同様に、表皮と真皮の間には基底膜が存在していて、真皮の下には皮下組織があります。
魚類とヒトでは、生存している場所も地上と水中というように、かなり違うようなイメージがありますが、皮膚の構造という点では、かなり共通したところがあります。
魚類は水中で生活しているため、乾燥とは無縁で、角質を持たず上皮がむき出しになっています。
魚類の体表は、ヌルヌルしていたり、ネバネバしていますが、これは魚類の表皮の中間層にある粘液細胞から分泌されている粘液の影響で、この粘液の中に、抗菌作用がある成分が含まれていて、それにより水中の病原体から身を守っているのです。
魚類はやがて陸上へ上がってきて、両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類になるとみんな角質を持っています。
特別なヒトの皮膚
ヒトは哺乳類に属していますが、その中でもヒトの皮膚はきわめて特殊と言えます。
同じ哺乳類の中で比較しても、ヒトの皮膚はきわめて特殊とも言うべきで、全身にエクリン腺という汗腺が発達しています。
犬などは、暑かったり走ったりした後は、口を開けて舌を出してはぁはぁしていますが、人間にはエクリン腺があるため、効率的に発汗ができます。
ヒトのようにエクリン腺が発達しているのは、哺乳類でもウマぐらいしかいません。
類人猿とヒトを比較してみても、サルやチンパンジーやゴリラなどは体毛でぎっしり覆われているのに対し、ヒトは産毛が生えているものの、非常に薄くほぼ無毛に見えるくらいです。
また類人猿には、ヒトの頭髪や眉毛、腋毛、陰毛のように特別に毛が長く密に伸びるようなところもありません。