私たちがものをしっかりとつかむことができるのも、爪があるからです。
指先に力を入れて、しっかりと歩くことができるのも、爪のおかげです。
爪をみると健康状態がわかる
昔から『爪をみると健康状態がわかる』と言いますが、これは爪の下の部分には毛細血管が集中していて爪が血液の健康状態に影響されやすいことから言われていることです。
爪が薄い肉色に見えるのは、爪床の毛細血管が爪に透けて見えるためであり、爪を押すことにより色が白く抜けます。
爪とは
爪は、表皮の角質が変化して硬化した板状の組織です。爪の主成分はタンパク質であるケラチンとなっていて、含水量が12~16%となっていますが、いろいろな要因によって5%~24%まで変動します。
マニキュア等の化学薬品をつけすぎていると、表面が割れて脆く割れやすくなるというのも、爪が化学薬品によって脱水状態になったり、脱脂状態になるために起こります。
爪の構造とは
爪の構造としては、次のように分かれています。
爪甲(そうこう):これは、普段私たちが日常でいわゆる爪といっている部分で、外側に露出している部分のことです。
爪根(そうこん):これは、外側に露出せずに皮膚に隠れている部分です。
爪母基(そうぼき):髪でいうところの毛母細胞にあたる部分で、爪根で新しい爪を作っている部分になります。
爪床(そうしょう):爪と接触している部分で、爪甲を乗せている皮膚のことを言います。爪床には表皮がなく、真皮以下は他の部分の皮膚と同じ構造になっています。爪床は空気に触れることによって表皮化します。
爪郭(そうかく)は、爪甲の両側を囲んでいる指の皮膚の部分です。
爪半月は、ルヌーラとも呼ばれ、爪の根元のほうの三日月型の白い色をした部分で、まだ完全に角化していない、できあがっていない新しい爪になります。
爪上皮(そうじょうひ)は、いわゆる甘皮で、爪半月を保護しています。
爪の伸びるスピードは、指によって違う
日本人の成人の手の爪がどのぐらい伸びるかというと、1日平均約0.1mmです。もちろんこれには個人差もあり、例えば1週間で1.2mmも伸びる人もいます。
足の爪は手の爪に比べて伸びる速さは遅くなっていて、足の爪が伸びるスピードは、手の爪の1/2~1/3の速さと言われています。
手の爪で比べても、いろいろと違ってきます。
右利きの人であれば、左の爪に比べ右手の方が早く伸びます。つまり利き手のほうの指の爪のほうが良く伸びます。
利き手の方が活動的に動くので、体温も上昇しやすく、血流も良くなることから、良く伸びやすいと考えられています。
手の指の中では、人差し指と中指と薬指の真ん中3本が最も早く伸び、その次が親指、一番伸びが悪いのが小指になっています。
真ん中3本の指であえて順位をつけるとしたら、人差し指、中指、薬指といったようになるでしょう。
爪は歳をとるにつれ、厚くなっていく
よく、肌は歳を重ねるごとにその角質層が厚くなっていくと言われていますが、爪も同じです。
実は、爪の伸び方は年齢によってかなり違ってきて、爪が一番良く伸びる時期は、小児期から20歳頃までです。
その後は伸びるスピードは段々と遅くなり、50歳頃には爪の伸びるスピードは、幼児のそれよりも遅いと言われています。
しかし、一定期間の中で、爪が作られる量はだいたい決まっています。
つまり乳児では、薄くて柔らかい爪で伸びは大変早く、高齢者になると、爪は伸びが悪く厚くなっていくため、爪が濁ったようになっていってしまいます。