美容・老化を考える上で、AGEは非常に重要なキーワードになってきます。老化の元凶ともいわれるAGEですが、どうしてそう言われるのでしょうか。
美容・老化を語る上でのキーワードAGE
人間の生命の維持には酸素や糖質は不可欠ですが、それらが反応してしまうことで、活性酸素やAGEができてしまい、それが体を老化、つまり体の蛋白質を劣化させてしまいます。
特にAGEは、活性酸素をもしのぐ老化の元凶になっています。
AGEは、蛋白質と糖質から最終的に生成される物質の総称で、終末糖化産物といわれています。
わかりやすく言うと、パンケーキや焼きおにぎりなど、蛋白質と糖質の両方を含んでいる食材を加熱すると褐色になってきます。
この褐色になってくるときにメイラード反応という化学反応が起き、AGEが大量に発生します。
タマネギを炒めていくとキツネ色になりますが、このときに起きているのがメイラード反応です。
ちなみに、プリンのカラメルもキツネ色をしていますが、あれは糖質だけが加熱されているので、メイラード反応は起きず、AGEも発生しません。
あくまでも、蛋白質と糖質が同時に加熱されることで、メイラード反応が起こってきます。
なぜAGEが問題なのか
AGEは、体を構成している蛋白質を攻撃し、その機能を低下させてしまいます。
人間の体の中にある蛋白質は分解と合成を繰り返し、新陳代謝が多な割れています。
これは細胞内のDNAに蛋白質の設計図が入っているからで、これにより設計図どおりに蛋白質を合成していますが、このとき必要に応じて蛋白質は修飾されます。
この時にAGEが作用して、悪い修飾を行うことで、蛋白質本来の機能が阻害され、老化につながっていってしまうのです。
美容に大切なコラーゲンもAGEに狙われる
AGEは、クロルリンキングと呼ばれる蛋白質への架橋形成をすることで、本来の蛋白質の働きを低下させ、老化させてしまいます。
特にコラーゲン繊維は、AGEの被害を受けやすい蛋白質の1つと言われています。
コラーゲン繊維は、体にある全蛋白質の約3割を占めると言われていて、肌の弾力性やハリを保つのにも重要な蛋白質です。
コラーゲン繊維を構成している3本の蛋白質の繊維は、生理的架橋でつながっていて、これがまさに肌のハリや弾力に重要な役割を果たしています。
しかし、AGEによりランダムにコラーゲン繊維が結びついてしまい、必要な弾力やハリが失われてしまうのです。
こうして古くなったコラーゲン繊維は、コラゲナーゼにより分解されて新しいコラーゲン繊維に代わっていくのですが、AGEにより好ましくない架橋ができてしまったコラーゲン繊維は、コラゲナーゼによる分解ができなくなり、古くなったまま残り、コラーゲン繊維の機能が落ちていってしまいます。