皮脂は毛包に付属している皮脂腺から分泌されています。
美容的には脂ぎったテカリをイメージしてしまいあまり良い印象がなく、どちらかというと不潔という印象すらありますが、皮脂は肌にとって非常に重要な働きを果たしています。
皮脂について
皮脂は、肌の表面、角質上に水をはじく油の膜である『皮脂腺』を形づくります。
水をはじくことから、体の中にある水分の蒸発は皮脂があることによって防ぐことができます。
もともと成人の体の約60%は水分(体液)で、また生物のほとんどの生理活動において、水は不可欠なものになっています。
嘔吐したり、下痢をしたり、大量に発汗したり、火傷などをすると、大量に水分が失われてしまいます。
人間がいかに水分が大切かというと、水分のたった3%が失われただけで、食欲不振になったり、ぼんやりとしたりといった脱水症状があらわれてきます。
8~10%も水分が失われてしまうと、身体動揺やけいれんといった重篤な症状があらわれてきます。
20%も失われてしまうと、死に至るとも言われています。
加齢と皮脂
加齢に伴い、皮脂の分泌量も少なくなってきます。
例えば、昔はなんなく紙をめくれていたのに、最近では紙の上を指が滑ってしまい、なかなか紙がめくれないという人もいます。
加齢とともに皮脂腺が萎縮し、皮脂の分泌量が少なくなり、角層の上にある皮脂層が薄くなることで、肌の保湿効果が弱まり、皮膚がカサカサしてきます。
肌のかさつき感がある場合は、肌のバリア機能が低下している大きなサインといえます。
なぜ手はカサカサなのにおでこはテカテカなのか
加齢とともに、だんだん手がカサカサしてきてるのに、おでこは脂ぎってるような人がいます。
いわゆるドライスキンは、手足や背中に起こることが多く、頭部や顔面などではあまりカサカサ感はありません。
これは頭部や顔面には皮脂腺が豊富にあるからです。
加齢によって少しぐらい減少しても、その影響が少ないのです。
オイリー肌(脂性肌)で、皮脂の分泌が多い人は、脂性肌クレンジングを使ったり、毛穴ケアをすることも大切ですが、皮脂は、頻繁に石鹸で洗顔したり、クレンジングやメイク落としをすると、皮脂が取り除かれてしまい、肌のバリア機能が低下してしまうことになりかねませんので、過度な洗顔などには注意が必要です。
またメイク落としやクレンジングを使うときは、メイク汚れや過剰な皮脂をしっかりと落とせるかという点も重要ですが、逆に落としすぎないか、肌の潤いを残せるように負担が少ない設計なのかを見極めることも大切になってきます。
潤いキープのための保湿成分として、セラミドやグリセリン、ヒアルロン酸などが含まれているものがオススメです。